育休手当(育児休業給付金)完全ガイド|いつから・いつまで・いくらもらえるか徹底解説

育休手当(育児休業給付金)とは?

育休手当の概要

育児休業給付金(育休手当)とは、育児休業を取得した労働者に対して、雇用保険から支給される給付金のことです。育休中は給与が支払われないケースがほとんどですが、育休手当を受け取ることで、育休中も一定の収入を確保することができます。

育休手当は、ハローワーク(公共職業安定所)を通じて支給されます。通常は勤務先が申請手続きを代行してくれるため、本人が直接ハローワークに出向く必要はありません。

育休手当の受給条件

育休手当を受け取るためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。

【育休手当の受給条件】

  • ① 雇用保険の被保険者であること
    育休手当は雇用保険から支給されるため、雇用保険に加入していることが前提です。週20時間以上・31日以上の雇用が見込まれる場合は雇用保険に加入します。
  • ② 育児休業を取得していること
    育児休業を取得し、その期間中であることが条件です。育休を取得していない場合は支給されません。
  • ③ 育休開始前の2年間に、賃金支払い基礎日数が11日以上ある月が12ヶ月以上あること
    育休開始前の2年間(被保険者期間)に、1ヶ月に11日以上働いた月が12ヶ月以上あることが条件です。産前産後休業を取得した場合は、その期間分を遡ることができます。
  • ④ 育休中に、1ヶ月あたり10日以下(または80時間以下)しか働いていないこと
    育休中に働く日数・時間が一定以上になると、支給が停止または減額される場合があります(詳細は後述)。

有期雇用・パートタイムの場合の条件

2022年4月の育児・介護休業法改正により、有期雇用・パートタイムの方の育休取得要件が緩和されました。現在は以下の条件を満たせば育休を取得でき、育休手当も受け取れます。

【有期雇用・パートタイムの場合の条件】

  • 同じ事業主に1年以上継続して雇用されていること
  • 子どもが1歳6ヶ月になるまでの間に、雇用契約が満了することが明らかでないこと

「パートだから育休が取れない」と思い込んでいる方もいますが、条件を満たせばパートタイムの方でも育休・育休手当を受け取ることができます。まずは勤務先の担当部署に確認してみましょう。

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育休手当はいつからもらえる?

初回受け取りのタイミング

育休手当は、育休を開始してすぐに受け取れるわけではありません。初回の支給は、育休開始から約2〜4ヶ月後になることが多いです。

これは、育休手当の支給申請が「育休開始から2ヶ月経過後にまとめて申請する」という流れになっているためです。

【育休手当の支給スケジュール(例)】

タイミング 内容
育休開始 育休スタート
育休開始から約2ヶ月後 勤務先がハローワークに初回申請
初回申請から約2週間後 初回の育休手当が振り込まれる
以降2ヶ月ごと 2ヶ月分まとめて支給される

育休開始直後は収入が途絶えた状態が続くため、育休前に2〜3ヶ月分の生活費を貯蓄しておくことをおすすめします。

申請方法と必要書類

育休手当の申請は、通常勤務先の担当部署(総務・人事など)が代行して行います。ただし、本人が用意しなければならない書類もあるため、事前に確認しておきましょう。

【申請に必要な主な書類】

  • 育児休業給付受給資格確認票・(初回)育児休業給付金支給申請書:勤務先所定の書式または会社経由でハローワークから取得
  • 母子健康手帳のコピー:子どもの生年月日の確認のため
  • 払渡希望金融機関の通帳・キャッシュカードのコピー:振込先口座の確認のため
  • マイナンバーカードまたは個人番号通知書のコピー:本人確認のため

書類の種類・書式は勤務先によって異なる場合があります。育休開始前に勤務先の担当部署に確認し、必要書類を早めに準備しておきましょう。

育休手当はいつまでもらえる?

原則1歳の前日まで

育休手当は、原則として子どもが1歳になる前日まで受け取ることができます。

ただし、パパ・ママ育休プラス制度を利用して両親ともに育休を取得した場合は、1人あたりの育休手当の受給期間が1歳2ヶ月になる前日までに延長されます。

1歳6ヶ月・2歳まで延長できる条件

保育園に入れなかった場合など、一定の条件を満たす場合は、育休手当の受給期間を1歳6ヶ月・最長2歳まで延長することができます。

【育休手当の受給期間まとめ】

受給期間 条件
原則:子どもが1歳になる前日まで ー
1歳2ヶ月になる前日まで パパ・ママ育休プラスの利用
1歳6ヶ月になる前日まで 保育園不承諾・配偶者の疾病など
2歳になる前日まで 1歳6ヶ月時点でも同様の事情が続く場合

延長を希望する場合は、入所不承諾通知書などの証明書類を勤務先に提出し、延長申請を行う必要があります。申請が遅れると育休手当が一時的に止まる可能性があるため、書類が届き次第すぐに対応しましょう。

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育休手当はいくらもらえる?

支給額の計算方法

育休手当の支給額は、育休開始前の賃金をもとに計算されます。計算式は以下の通りです。

【育休手当の計算式】

支給額 = 賃金日額 × 支給日数 × 支給率

  • 賃金日額:育休開始前6ヶ月間の賃金合計 ÷ 180日
  • 支給日数:育休期間中の日数(1支給単位期間あたり最大30日)
  • 支給率:育休開始から180日目まで67%、181日目以降50%

【支給率のまとめ】

期間 支給率
育休開始から180日目まで 休業開始時賃金の67%
181日目以降 休業開始時賃金の50%

育休開始から6ヶ月間(180日)は給与の約3分の2が支給されるため、手取り収入と比べると実質的な手取り減少は思ったより少ないと感じる方も多いです。これは、育休中は社会保険料・所得税が免除または大幅に減額されるためです。

具体的な支給額シミュレーション

実際の支給額をイメージしやすくするために、具体的なシミュレーション例を見てみましょう。

【月収25万円の場合のシミュレーション】

期間 計算式 月額支給額の目安
育休開始〜180日目 25万円 × 67% 約16万7,500円
181日目〜1歳前日 25万円 × 50% 約12万5,000円

【月収30万円の場合のシミュレーション】

期間 計算式 月額支給額の目安
育休開始〜180日目 30万円 × 67% 約20万1,000円
181日目〜1歳前日 30万円 × 50% 約15万円

※上記はあくまで目安です。実際の支給額は賃金日額・支給日数によって異なります。

支給額の上限・下限

育休手当には、支給額の上限と下限が設けられています。2023年度の上限・下限額の目安は以下の通りです。

【支給額の上限(1ヶ月あたり)】

  • 育休開始から180日目まで:約31万143円
  • 181日目以降:約23万1,450円

【支給額の下限(1ヶ月あたり)】

  • 育休開始から180日目まで:約5万4,186円
  • 181日目以降:約4万475円

上限・下限額は毎年8月に改定されるため、最新の金額はハローワークの公式サイトまたは勤務先の担当部署に確認しましょう。

こんな時どうなる?育休手当Q&A

育休中に働いたら?

育休中でも、一定の範囲内であれば就業することができます。ただし、働く日数・時間によって育休手当の支給額が変わります。

【就業日数・時間と育休手当の関係】

就業状況 育休手当への影響
1ヶ月あたり10日以下かつ80時間以下の就業 原則通り支給される(ただし就業した日数分は減額される場合がある)
1ヶ月あたり10日超または80時間超の就業 その月の育休手当は支給されない
月の就業日数が育休前の80%以上 育休手当の支給が終了する

育休中に働く場合は、必ず事前に勤務先・ハローワークに確認してから就業しましょう。知らずに就業日数・時間を超えてしまうと、受け取れるはずだった育休手当が支給されなくなる場合があります。

育休中に退職したら返金が必要?

育休手当を受け取りながら退職した場合、すでに受け取った育休手当を返金する必要は原則ありません。ただし、退職した日以降の育休手当は支給されなくなります。

また、育休中に退職した場合は雇用保険の失業給付を受け取れる可能性があります。ただし、すぐに求職活動を開始できない場合(育児中など)は、受給期間の延長申請をしておくことをおすすめします。

育休中の退職・転職についてはさまざまな影響があるため、事前に勤務先・ハローワーク・転職支援のプロに相談することをおすすめします。

育休中の税金・社会保険はどうなる?

育休中は、以下の通り税金・社会保険の取り扱いが通常とは異なります。

【育休中の税金・社会保険の取り扱い】

項目 育休中の取り扱い
所得税 育休手当は非課税のため、育休手当に対して所得税はかからない
健康保険料 育休中は本人・会社負担分ともに免除
厚生年金保険料 育休中は本人・会社負担分ともに免除
雇用保険料 育休手当には雇用保険料がかからない

育休手当は非課税所得のため、所得税・住民税の課税対象になりません。また、健康保険・厚生年金の保険料も育休中は免除されます。そのため、育休手当の支給率(67%または50%)以上の実質的な手取りを確保できることが多いです。

住民税の支払いに注意

育休中に注意が必要なのが住民税の支払いです。住民税は前年の収入をもとに計算されるため、育休中でも前年の収入に応じた住民税を支払う必要があります。

通常は給与から天引きされますが、育休中は給与が支払われないため、自分で納付するか、会社に立替払いを依頼するかを選択することになります。

【住民税の支払い方法の選択肢】

  • 自分で納付する(普通徴収):市区町村から送られてくる納付書で直接支払う方法。年4回に分けて支払う
  • 会社に立替払いを依頼する:会社が立替払いし、復帰後の給与から天引きしてもらう方法

住民税の納付を忘れると延滞税が発生することがあります。育休開始前に会社の担当部署に相談し、住民税の取り扱いを確認しておきましょう。

まとめ

  • 育休手当(育児休業給付金)は雇用保険から支給される給付金で、育休中の収入をサポートする
  • 受給条件は「雇用保険の被保険者であること」「育休前2年間に12ヶ月以上の被保険者期間があること」など
  • パートタイム・有期雇用の方も、1年以上継続雇用されていれば受給できる
  • 初回の支給は育休開始から約2〜4ヶ月後になるため、育休前に生活費の貯蓄を準備しておく
  • 支給期間は原則子どもが1歳になる前日まで。条件を満たせば最長2歳まで延長可能
  • 支給額は育休開始から180日目まで賃金の67%、181日目以降50%
  • 育休手当は非課税で、育休中は健康保険・厚生年金の保険料も免除される
  • 育休中の住民税の支払いは忘れずに。育休前に会社の担当部署に確認しておく
  • 育休中に就業する場合は月10日以下かつ80時間以下の範囲内に収めること

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