働くママが7割を超えた昨今、多くのママが育休明けに職場復帰を予定しているのではないでしょうか。
職場復帰に向けてしっかり準備していると思っていても、思いもよらないところでつまずいてしまうことも。
育休明けの職場復帰でよいスタートを切るために、これだけは押さえておきたい!4つのポイントをご紹介します!
1.育休中から会社と打ち合わせをしておこう
育休からの復帰は、会社との事前の綿密な打ち合わせが欠かせません。
事前にしっかり確認しておかなかったばかりに、働き出してから「困った!」なんてことにはなりたくないものです。
特に確認しておきたいポイント3つを以下に挙げました。
どんな働き方にするか
まず決めておかなければいけないのは「働き方」です。保育園の送迎など、子どもに合わせた働き方が求められます。
勤務時間を変更するには、育児・介護休業法※1で定められた「所定時間の短縮措置(短時間勤務制度)」という制度が利用できます。
1日の所定労働時間を原則として6時間に短縮することのできる制度で、3歳未満の子どもを養育中の場合に申請できます。
ちなみに、短縮した時間分の給与は保障されておらず、無給となる場合もありますので要注意です!
また、育児中に残業をしなくてもいいように、次の2つの制度を利用できます※1。
●所定外労働の制限
就業規則で決められた労働時間を超過しないようにする制度で、3歳未満の子どもを養育中の場合に申請できます。
●時間外労働の制限
法律で定められた労働時間(1日8時間、週40時間まで)を超過しないようにする制度で、小学校入学前の子ども養育中の場合に申請できます。
勤務時間は子どもの保育園の送り迎えや通勤時間を考慮して、会社と相談して決めるとよいでしょう。
また、短時間勤務制度を利用して働くほかに、契約社員やアルバイトなど、雇用形態を変更して復帰することも可能な場合があります。
会社によっては短時間勤務制度を利用するとお給料が減って損、ということも考えられるので、自身が勤める会社の規定はどうなっているか、お給料がどのくらいになるのかなど、しっかり確認することが重要です。
どんな業務内容なのか
復帰後に以前と同じ業務に携われるのか、と不安に思う方も多いのではないでしょうか。
原則として、会社は休業する前と同じ業務を担当させなければなりません※1。
しかし、産休・育休に入っていた1年と少しの間、これまで携わった業務は誰かが引き継いでいる上に、異動や社員の補充で、職場の様子が大きく変わっている、という可能性もあります。
場合によっては、以前と同じ業務に携われなくなることも。
復帰後自分がどのような業務に携わることになるのか、事前にしっかり確認しておきましょう。
また、産休・育休中からこまめに会社に連絡をとったり、顔を出したりして会社の様子を知っておくことも重要です。
会社の様子や、自分が在籍する部署の様子が分かっていれば、スムーズに復帰できますし、自分がどんな業務になりそうか想像できるので、不安に思うことも少ないはず。
どのくらい融通が効く?有給は何日残ってる?
職場復帰してからしばらくの間は、子どもはとにかくたくさん休みます。
突然朝早く起きて保育園に行かなければならなくなるので、環境の変化やストレスが体に出てしまい、何度も風邪をもらってきたり、体調を崩してしまったり。
子どもが休みとなれば、当然パパとママのどちらかが休まなければならなくなります。
どのくらい融通を効かせてくれるのか、急に休んだりしても大丈夫かはあらかじめしっかり確認してください。
また、年次有給休暇が何日残っているかもしっかり確認しなければなりません。
パパとママでそれぞれ何日の有給休暇が残っているかを確認し、子どもが何日休んでしまっても大丈夫かを事前に把握しておけば安心です。
ちなみに、子どもが体調不良などで休む際は、「子の看護休暇制度」という制度が利用できます※1。
これは、小学校入学前の子どもが1人いる場合は5日、2人以上いる場合は10日を、1日単位・半日単位で年次有給休暇とは別で取得できる制度。
この制度を利用すれば有給休暇以外に最低5日は休むことができますが、この休暇分のお給料は保障されていないので、無給となる場合が多いです。
看護休暇は最終手段と考えて、有給休暇をうまく使うのが大切です。
2.家事・育児の分担をしよう
分担を決めよう
育休中はママも家事・育児に全力投球できますが、働き出すとそれらに割ける時間は圧倒的に少なくなります。
朝起きてから出社するまでと、仕事が終わって帰宅してから寝るまでの間に家事・育児をこなさなければなりません。
仕事で疲れて帰ってさらに家事、ママ一人ではあっという間に限界が来てしまいます。仕事も家事も育児も一生懸命にやるあまり、体調を崩してしまうことも。
そうならないためにもパパと家事・育児の役割分担を決めておきましょう。
事前に役割分担を決めておけば、パパもスムーズに家事・育児に参加できます。
見える化してパパも簡単!
出産後1年間の間、おそらく多くの家庭ではママが家事・育児を1人でこなしていたのではないでしょうか。
そういった場合、多くのパパが「家事・育児って何をすればいいの?」という状況に陥ります。
役割分担を口約束で決めてもなあなあになってしまったり…。
そんな時にはあらかじめ分担表ややることリストのようなものを作っておけば、何をするのか一目瞭然。見える化することで、パパにも積極的に家事・育児に参加してもらえます。
また、パパも家事・育児をしやすいように、部屋を整理整頓してみましょう。
ずっと家事をママにまかせていたために、パパは「どこに何をしまえばいいのか分からなくなってしまった」なんてこともあるんだとか。
冷蔵庫やキッチンの棚、子ども服のタンスなどに、何が入っているかを書いたシールを貼っておくとよいでしょう。
どこに何があるのかを見える化することがポイントです!
入園準備はパパも一緒に
ママの復帰の際に、多くのパパがとまどうのが保育園でしょう。
保育園はママにとってもパパにとっても、はじめてのことです。
加えて、入園準備をママにまかせっきりだったパパもいらっしゃるのでは。
保育園にはたくさんの荷物を持って行かなければなりません。
何を持って行かなければならないのか、何を持って行ってはいけないのかなど、慣れるまでは大変です。
入園準備から、パパも一緒になってやっていれば慣れるのも早いですよ。
また、入園前にどの経路を通って通園するか、通園にどのくらい時間が掛かるかを確認しておきましょう。
できれば実際の通勤・帰宅時間と同じ時間に挑戦してみると、よりGOOD。
通勤・帰宅ラッシュ時は渋滞が起こっていたりして、思っている以上に時間がかかってしまいがちです。
スケジュールはしっかり共有
共働きでの家事・育児は何より夫婦の連携が大事!多くの家庭が、夫婦で保育園の送り迎えを分担して行っています。
そんな中でお互いのスケジュールをきちんと把握することはとても重要です。
オススメは、カレンダーアプリなどでお互いのスケジュールを共有すること。
予定を逐一書きこんでおけば、「言った・言わない」の喧嘩になることもありませんし、重要なスケジュールはアラームをかけておけば、忘れる心配もありません。
それでも、時には急な予定変更などがあることも。
そんな時のために、必ずつながる連絡手段も確保しておきましょう。
3.家事の手抜き方法を見つけよう
いくらパパと役割分担をしたとはいえ、毎日家事を100%こなすことはかなり難しいです。
ある程度のところで妥協し、手を抜くことも立派なテクニックです。
作り置き・常備菜でラクチン
家事の中でかなりの時間を取られるのが料理。毎食きちんとしたものを作るのはとても大変ですよね。
ついついインスタントや出来合いのものに頼りたくなりますが、できれば子どもには温かくてバランスのとれた手料理を食べさせたいものです。
そんな料理の負担を減らしてくれるのが作り置き・常備菜。
休日にまとめてたくさん作っておけば、平日は温めてお皿に取り分けるだけ!
忙しくてもバランスのとれた食事が食べられますし、とても時短でラクチンです♪
ママが疲れてどうしても動けないという時でも、作り置きがあればパパもご飯の準備ができます。
いざという時のために、白いご飯を1食分ずつ冷凍しておくのもオススメです。
宅配サービスを利用する
食料品などの買い物は、子どもを連れていくには大変ですよね。
子どもを抱っこして重い荷物を持たなければならなかったり、スーパーで子どもがぐずってしまったり…
そんな時には宅配サービスに頼りましょう。
ネットで注文すれば品質の高い品物を家まで届けてくれるので、忙しいママにはもってこいのサービスです!
買い物に行く時間も短縮されるので、他の家事をしたり、リラックスタイムにあてたりと時間を有効に活用できます。
便利家電を買う
大ブームになったロボット掃除機や、食器洗浄乾燥機、衣類の乾燥機のほかに、具材を入れてスイッチを押すだけで料理ができてしまう自動調理機など、ママの負担を減らしてくれる便利家電を買うのもオススメです。
ロボット掃除機があれば、仕事に行っている間に部屋を掃除してもらえるのでラクチン!
食器洗浄乾燥機があれば、夕食の後は食器を入れてスイッチを押すだけなので、家族の団らんの時間が増えます。
便利家電は高額なイメージがあるかもしれませんが、近頃はリーズナブルな価格の商品も増えていますので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。
4.各種制度を確認しよう
せっかく職場復帰したのに、お得な制度を知らないばかりに損をしちゃった、なんてことにはなりたくないですよね。
各種制度が自分も利用できるものかどうかしっかり確認して、もれのないように申請しましょう。
育児休業等終了時報酬月額変更届
この制度は、育休終了後、短時間勤務などで月に貰えるお給料が育休前よりも下がってしまった際に、社会保険料も同等に下げることができる制度※2。
通常の社会保険料は、お給料の金額によって割り出された、標準報酬月給の等級によって決められます※3。
育休明けの場合、標準報酬月額を割り出すのに使われるのは、育休取得以前のお給料。
職場復帰後に短時間勤務などで月のお給料が下がってしまうと、お給料に見合わない社会保険料を払わなければいけない、といったことも起こり得ます。
ですが、この制度を利用していると、標準報酬月額を育休明けの給料から割り出してもらえるので、社会保険料を下げることができます。
適用には次の3つの条件を満たす必要があります※2。
- 3歳未満の子どもを養育していること
- これまでの標準報酬月額と改定後の標準報酬月額との差が1等級以上であること
- 育休終了から3か月の内、少なくとも1か月において、労働日数が17日以上であること。
手続きは勤務先の会社を通して行います。
自分から申し出をしなければ適用してもらえない制度ですので、上記の要件を満たす場合は速やかに勤務先へ申し出ましょう。
厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書
この制度は、育休終了後、短時間勤務などで標準報酬月額が下がってしまっても、将来受け取る厚生年金を、子どもが生まれるの前の標準報酬月額に基づいた金額にできる仕組みです※4。
通常は標準報酬月額が下がると将来受け取れる年金額も下がってしまいますが、この制度を利用すれば、将来受け取れる厚生年金額は下がりません。
適用には次の2つの条件を満たす必要があります。
- 3歳未満の子どもを育てていること
- 子どもの養育が始まった月の前1年以内に厚生年金の被保険者であった期間があること
手続きは勤務先の会社を通して行います。
こちらも自分から申し出をしなければ適用してもらえない制度ですので、上記の要件を満たす場合は速やかに勤務先へ申し出ましょう。
スムーズな職場復帰をするために
はじめての職場復帰、不安は尽きないと思います。
しかし、重要なポイントをしっかり押さえておけば、決して怖いものではありません。
そして、職場復帰で最も重要なのは、”いかにパパにも協力してもらうか”です。無理にママ1人で頑張っていては、いつか頑張れなくなる時が来ます。
パパに家事・育児に参加してもらうための工夫は積極的に行っていきましょう。
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【出典】
※1 厚生労働省 「育児・介護休業法のあらまし」 平成30年9月
※2 日本年金機構 「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」 平成30年9月26日閲覧
※3 日本年金機構 「Q.標準報酬月額は、いつどのように決まるのですか」 平成30年9月26日閲覧
※4 日本年金機構 「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」 平成30年9月26日閲覧
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