育休明けの職場復帰で気を付けたいポイント

育休明けの職場復帰で気をつけたい5つのポイント

働くママが増えた昨今、多くのママが育休明けに職場復帰を予定しているのではないでしょうか。

「職場復帰に向けてしっかり準備しているつもり」でも、思いもよらないところでつまずいてしまうことがあります。育休明けの職場復帰でよいスタートを切るために、これだけは押さえておきたい!という5つのポイントを、2025年最新の制度も踏まえてご紹介します。

①育休明けの働き方を会社と相談しておく

育休中から会社としっかり打ち合わせをしよう

育休からの復帰は、会社との事前の綿密な打ち合わせが欠かせません。事前にしっかり確認しておかなかったばかりに、働き出してから「困った!」なんてことにはなりたくないものです。特に確認しておきたいポイントを見ていきましょう。

どんな働き方にするか(時短勤務・所定外労働の制限等)

まず決めておかなければいけないのは「働き方」です。保育園の送迎など、子どもに合わせた働き方が求められます。

勤務時間を変更するには、育児・介護休業法で定められた「所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)」という制度が利用できます。1日の所定労働時間を原則として6時間に短縮することのできる制度で、3歳未満の子どもを養育中の場合に申請できます。

ちなみに、短縮した時間分の給与は保障されておらず、無給となる場合もありますので要注意です。

また、育児中に残業をしなくてもいいように、次の2つの制度も利用できます。

【残業を制限できる主な制度】

制度名 内容 対象
所定外労働の制限 就業規則で決められた労働時間を超過しないようにする制度 3歳未満の子どもを養育中の場合
時間外労働の制限 法律で定められた労働時間(1日8時間、週40時間まで)を超過しないようにする制度 小学校入学前の子どもを養育中の場合

勤務時間は、子どもの保育園の送り迎え・通勤時間を考慮して、会社と相談して決めるとよいでしょう。

また、短時間勤務制度を利用して働くほかに、契約社員・アルバイトなど、雇用形態を変更して復帰することも可能な場合があります。会社によっては短時間勤務制度を利用するとお給料が減って損、ということも考えられるので、自身が勤める会社の規定・お給料がどのくらいになるのかなど、しっかり確認することが重要です。

2025年4月施行の改正育児・介護休業法で何が変わった?

2025年4月に施行された改正育児・介護休業法により、子育て中の働き方の選択肢がさらに拡大しています。

【2025年4月改正の主なポイント】

  • 子どもが3歳から小学校就学前までの間、「所定外労働の制限」「テレワーク」「短時間勤務制度」などの措置のうち、2つ以上を会社が選択して講じることが義務付けられた
  • これまで3歳未満が対象だった時短勤務等の措置が、より長い期間(就学前まで)柔軟に選べるようになった
  • 子の看護休暇の対象となる子の範囲・取得事由も見直されている

これまでは「3歳になったら短時間勤務が終わってしまう」という不安を抱えるママも多くいましたが、この改正により、より長く柔軟な働き方を選べる可能性が広がっています。復帰前に、自社がどんな制度を導入しているか、人事担当者に確認しておきましょう。

どんな業務内容になるのか

職場復帰に悩むママ

復帰後に以前と同じ業務に携われるのか、と不安に思う方も多いのではないでしょうか。原則として、会社は休業する前と同じ業務を担当させなければなりません。

しかし、産休・育休に入っていた1年と少しの間、これまで携わった業務は誰かが引き継いでいる上に、異動・社員の補充で職場の様子が大きく変わっている可能性もあります。場合によっては、以前と同じ業務に携われなくなることも。復帰後自分がどのような業務に携わることになるのか、事前にしっかり確認しておきましょう。

また、産休・育休中からこまめに会社に連絡をとったり、顔を出したりして会社の様子を知っておくことも重要です。会社の様子・自分が在籍する部署の様子がわかっていれば、スムーズに復帰できますし、自分がどんな業務になりそうか想像できるので、不安に思うことも少なくなるでしょう。

どのくらい融通が効く?有給は何日残ってる?

職場復帰してからしばらくの間は、子どもはとにかくたくさん休みます。突然朝早く起きて保育園に行かなければならなくなるので、環境の変化やストレスが体に出てしまい、何度も風邪をもらってきたり、体調を崩してしまったりします。

子どもが休みとなれば、当然パパとママのどちらかが休まなければならなくなります。どのくらい融通を効かせてくれるのか、急に休んだりしても大丈夫かはあらかじめしっかり確認してください。

また、年次有給休暇が何日残っているかもしっかり確認しなければなりません。パパとママでそれぞれ何日の有給休暇が残っているかを確認し、子どもが何日休んでしまっても大丈夫かを事前に把握しておけば安心です。

子どもが体調不良!利用できる制度は?

ちなみに、子どもが体調不良などで休む際は、「子の看護休暇制度」という制度が利用できます。

これは、小学校入学前の子どもが1人いる場合は5日、2人以上いる場合は10日を、年次有給休暇とは別で取得できる制度です。育児・介護休業法改正によって、2021年1月から時間単位での取得も可能になっています。

この制度を利用すれば有給休暇以外に最低5日は休むことができますが、この休暇分のお給料は保障されていないため、無給となる場合が多いです。看護休暇は最終手段と考え、有給休暇をうまく使うのが大切です。

また、子どもが37.5度以上の熱を出してしまうと、保育園に預けることもできなくなります。パパもママも休めない!という場合は、病児保育の利用を検討しましょう。地域や施設によってさまざまですが、小学校6年生までを利用対象としている場合が多いようです。詳しくは「子どもが急に発熱!病児保育とは?」の記事もあわせてご覧ください。

②家事・育児の分担をする

家事育児をパパとママで分担しよう

分担を決める

育休中はママも家事・育児に全力投球できますが、働き出すとそれらに割ける時間は圧倒的に少なくなります。朝起きてから出社するまでと、仕事が終わって帰宅してから寝るまでの間に、家事・育児をこなさなければなりません。

仕事で疲れて帰ってさらに家事、ママ一人ではあっという間に限界が来てしまいます。仕事も家事も育児も一生懸命にやるあまり、体調を崩してしまうことも。そうならないためにも、パパと家事・育児の役割分担を決めておきましょう。事前に役割分担を決めておけば、パパもスムーズに家事・育児に参加できます。

見える化してパパも参加しやすく

出産後1年間の間、おそらく多くの家庭ではママが家事・育児を1人でこなしていたのではないでしょうか。そういった場合、多くのパパが「家事・育児って何をすればいいの?」という状況に陥ります。役割分担を口約束で決めてもうやむやになってしまうことも…。

そんな時には、あらかじめ分担表・やることリストのようなものを作っておくと、何をするのか一目瞭然です。見える化することで、パパにも積極的に家事・育児に参加してもらえます。

また、パパも家事・育児をしやすいように、部屋を整理整頓してみましょう。ずっと家事をママに任せていたために、パパは「どこに何をしまえばいいのかわからなくなってしまった」なんてこともあるようです。冷蔵庫やキッチンの棚、子ども服のタンスなどに、何が入っているかを書いたシールを貼っておくとよいでしょう。どこに何があるのかを見える化することがポイントです。

入園準備はパパも一緒に

パパも一緒に保育園の準備をしよう

ママの復帰の際に、多くのパパが戸惑うのが保育園でしょう。保育園はママにとってもパパにとっても、初めてのことです。加えて、入園準備をママに任せっきりだったパパもいらっしゃるのでは。

保育園にはたくさんの荷物を持って行かなければなりません。何を持って行かなければならないのか、何を持って行ってはいけないのかなど、慣れるまでは大変です。入園準備からパパも一緒になってやっていれば、慣れるのも早くなります。

また、入園前にどの経路を通って通園するか、通園にどのくらい時間がかかるかを確認しておきましょう。できれば実際の通勤・帰宅時間と同じ時間に挑戦してみると、より確実です。通勤・帰宅ラッシュ時は渋滞が起こっていたりして、思っている以上に時間がかかってしまいがちです。

スケジュールはしっかり共有

共働きでの家事・育児は何より夫婦の連携が大事です。多くの家庭が、夫婦で保育園の送り迎えを分担して行っています。そんな中でお互いのスケジュールをきちんと把握することはとても重要です。

おすすめは、カレンダーアプリなどでお互いのスケジュールを共有することです。予定を逐一書き込んでおけば、「言った・言わない」の喧嘩になることもありませんし、重要なスケジュールはアラームをかけておけば忘れる心配もありません。

それでも、時には急な予定変更などがあることも。そんな時のために、必ずつながる連絡手段も確保しておきましょう。

「育休明けの働き方について相談したい」という方へ

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③家事の手抜き方法を見つける

作り置き・常備菜で毎日の家事を楽にしよう

いくらパパと役割分担をしたとはいえ、毎日家事を100%こなすことはかなり難しいです。ある程度のところで妥協し、手を抜くことも立派なテクニックです。

作り置き・常備菜

家事の中でかなりの時間を取られるのが料理です。毎食きちんとしたものを作るのはとても大変です。ついついインスタントや出来合いのものに頼りたくなりますが、できれば子どもには温かくてバランスのとれた手料理を食べさせたいものです。

そんな料理の負担を減らしてくれるのが作り置き・常備菜です。休日にまとめてたくさん作っておけば、平日は温めてお皿に取り分けるだけ!忙しくてもバランスのとれた食事が食べられますし、とても時短でラクチンです。ママが疲れてどうしても動けないという時でも、作り置きがあればパパもご飯の準備ができます。いざという時のために、白いご飯を1食分ずつ冷凍しておくのもおすすめです。

宅配サービスの活用

食料品などの買い物は、子どもを連れていくには大変です。子どもを抱っこして重い荷物を持たなければならなかったり、スーパーで子どもがぐずってしまったり…。

そんな時には宅配サービスに頼りましょう。ネットで注文すれば品質の高い品物を家まで届けてくれるので、忙しいママにはもってこいのサービスです。買い物に行く時間も短縮されるので、他の家事をしたり、リラックスタイムにあてたりと時間を有効に活用できます。

便利家電の導入

ロボット掃除機・食器洗浄乾燥機・衣類乾燥機のほかに、具材を入れてスイッチを押すだけで料理ができてしまう自動調理機など、ママの負担を減らしてくれる便利家電を導入するのもおすすめです。

ロボット掃除機があれば、仕事に行っている間に部屋を掃除してもらえるのでラクチンです。食器洗浄乾燥機があれば、夕食の後は食器を入れてスイッチを押すだけなので、家族の団らんの時間が増えます。便利家電は高額なイメージがあるかもしれませんが、近頃はリーズナブルな価格の商品も増えていますので、ぜひ一度検討してみてはいかがでしょうか。

④社会保険料・年金の手続きを確認する

育休明けに申請できる様々な制度を活用しよう

育休明けの職場復帰後、それ以前よりもお給料がダウンしてしまうことも多いでしょう。日々の生活だけでなく、将来受け取る年金にも影響するものですが、救済措置もあります。せっかく職場復帰したのに、お得な制度を知らないばかりに損をしてしまった、なんてことにはなりたくないですよね。各種制度が自分も利用できるものかどうかしっかり確認して、もれのないように申請しましょう。

育休明けの社会保険料はどうなる?(月額変更届)

育休明けの職場復帰で一番気になるのは、社会保険料のことでしょう。育休終了後、短時間勤務などで月にもらえるお給料が育休前よりも下がってしまった際に、社会保険料も同等に下げることができる制度があります。

その際に用いられるのが、「育児休業等終了時報酬月額変更届」です。

通常の社会保険料は、お給料の金額によって割り出された標準報酬月額の等級によって決められます。育休明けの場合、標準報酬月額を割り出すのに使われるのは育休取得以前のお給料です。職場復帰後に短時間勤務などで月のお給料が下がってしまうと、お給料に見合わない社会保険料を払わなければいけない、といったことも起こり得ます。

育児休業等終了時報酬月額変更届を提出すれば、標準報酬月額を育休明けの給料から割り出してもらえるので、社会保険料を下げることができます。

【適用に必要な3つの条件】

  • 3歳未満の子どもを養育していること
  • これまでの標準報酬月額と改定後の標準報酬月額との差が1等級以上であること
  • 育休終了から3ヶ月のうち、少なくとも1ヶ月において労働日数が17日以上であること

手続きは勤務先の会社を通して行います。自分から申し出をしなければ適用してもらえない制度ですので、上記の要件を満たす場合は速やかに勤務先へ申し出ましょう。

将来受け取る年金が減る?(養育期間特例申出書)

将来受け取る厚生年金は、お給料をもとに金額が決定されます。そのため、通常は標準報酬月額が下がると将来受け取れる年金額も下がってしまいます。

そうならないためには、「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」の提出が必要です。

この手続きを行うことで、育休終了後、短時間勤務などで標準報酬月額が下がってしまっても、将来受け取る厚生年金を、子どもが生まれる前の標準報酬月額に基づいた金額にできます。つまり、将来受け取れる厚生年金額が下がらないということです。

【適用に必要な2つの条件】

  • 3歳未満の子どもを育てていること
  • 子どもの養育が始まった月の前1年以内に、厚生年金の被保険者であった期間があること

手続きは勤務先の会社を通して行います。こちらも自分から申し出をしなければ適用してもらえない制度ですので、上記の要件を満たす場合は速やかに勤務先へ申し出ましょう。

この2つの手続きは、どちらも「知らなければ損をする」制度です。職場復帰前に人事・総務担当者に確認し、忘れずに申請しておきましょう。

⑤職場復帰前チェックリスト

これまでの内容を踏まえて、育休明けの職場復帰前に確認しておきたいチェックリストをまとめました。

【育休明け職場復帰前チェックリスト】

会社との相談

  • 短時間勤務制度・所定外労働の制限などの利用希望を会社に伝えた
  • 復帰後の業務内容を確認した
  • 有給休暇の残日数を確認した
  • 子どもの急な体調不良時の対応(融通の効き方)を確認した
  • 子の看護休暇制度の利用条件を確認した
  • 病児保育・ファミサポなど、緊急時の預け先の登録を済ませた

家庭内の準備

  • パパとの家事・育児の役割分担を決めた
  • 分担表・やることリストを見える場所に用意した
  • 保育園の入園準備をパパと一緒に行った
  • 通園・通勤ルートと所要時間を確認した
  • スケジュール共有アプリなどを導入した

手続き関連

  • 育児休業等終了時報酬月額変更届の対象条件を確認した
  • 厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書の対象条件を確認した
  • 上記の申請を会社に申し出た

よくある質問(Q&A)

Q. 短時間勤務制度を使うと、給料はどのくらい減りますか?

A. 短縮した時間分の給与は保障されていないため、勤務時間の減少に応じて給与も減るのが一般的です。減額の計算方法は会社の規定によって異なるため、復帰前に人事担当者に具体的な金額をシミュレーションしてもらうことをおすすめします。あわせて、社会保険料も下がる可能性があるため、育児休業等終了時報酬月額変更届の申請も忘れずに行いましょう。

Q. 2025年の法改正で、時短勤務はいつまで使えるようになりましたか?

A. 2025年4月施行の改正育児・介護休業法により、子どもが3歳から小学校就学前までの間、「所定外労働の制限」「テレワーク」「短時間勤務制度」などの措置のうち2つ以上を、企業が選択して講じることが義務付けられました。これにより、以前より長い期間、柔軟な働き方を選べる可能性が広がっています。具体的にどの措置が利用できるかは勤務先によって異なるため、確認が必要です。

Q. 育児休業等終了時報酬月額変更届と、通常の月額変更届はどう違いますか?

A. 通常の月額変更届は、固定的賃金の変動があった月から3ヶ月間の平均給与で標準報酬月額を改定する制度で、一定の条件(3ヶ月とも支払基礎日数が17日以上など)を満たす必要があります。育児休業等終了時報酬月額変更届は、育休復帰後に限定した特例で、3ヶ月のうち1ヶ月でも17日以上の労働日数があれば申請できるなど、通常より緩やかな条件で標準報酬月額を改定できる点が特徴です。

Q. パパが家事・育児に協力してくれません。どうすればいいですか?

A. まずは「指示」ではなく、分担表・やることリストを見える化して、パパ自身に「これならできる」というものを選んでもらう形にすると、当事者意識を持ってもらいやすくなります。また、家事をしやすい環境(収納の可視化など)を整えることも効果的です。詳しくは「共働き夫婦の家事・育児分担」の記事もあわせてご覧ください。

まとめ

しっかり準備して職場復帰に臨もう

  • 育休明けの職場復帰では、①働き方の相談②家事育児の分担③家事の手抜き方法④社会保険料・年金の手続きの4分野を事前に押さえておくことが重要
  • 働き方の相談では、短時間勤務制度・所定外労働の制限・時間外労働の制限などの制度を会社と確認する
  • 2025年4月施行の改正育児・介護休業法により、3歳〜小学校就学前まで柔軟な働き方の措置が拡大されている
  • 子どもの急な体調不良には有給休暇・子の看護休暇(年5〜10日、時間単位取得可)・病児保育を組み合わせて対応する
  • 家事・育児の分担は「見える化」がカギ。分担表・やることリストでパパの当事者意識を高める
  • 家事の負担軽減には作り置き・宅配サービス・便利家電の活用が効果的
  • 社会保険料・年金については、「育児休業等終了時報酬月額変更届」「厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書」という2つの申請制度がある。どちらも自分から申し出なければ適用されない
  • 職場復帰前チェックリストを活用し、会社との相談・家庭内の準備・手続きの3方向から漏れなく確認しておくことが、スムーズな復帰への近道

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