妊娠したらいつまで仕事ができるのか

妊娠したら仕事はいつまで?両立を支える制度や手当とは

妊娠・出産は女性の働き方に大きく影響します。

妊娠がわかってからは、どのように働けばよいのでしょうか。

「妊娠報告はいつする?」「いつまで働ける?」「産休中の収入はどうなるの?」など、きちんと知っておきたいことがたくさんありますね。

今回は、妊娠してからの働き方や、出産によって受け取れる手当などについてご紹介します。

 

会社への妊娠報告はいつ?

妊娠の報告はいつ?

会社への妊娠報告には、法律的な義務はありません

ただし、妊娠・出産は体調への影響が大きく、常に身体がだるかったり、突然具合が悪くなってしまうこともあります。また、業務の引き継ぎなど、その後の働き方にも深く関わることになるので、報告せずにいると自分も周りも大変です。

お互いのためにも、まずは直属の上司に報告しておくようにしましょう。

報告のタイミングについては、妊娠16週目以降の「安定期」が一般的なようですが、こちらも特に法律上の決まりはありません。

「安定期」に入るまでは流産のリスクが高く、もしものことを考えるとはやいタイミングでは報告しづらいものです。しかし、流産になってしまったとしても手術が必要となり、その後1~2日安静にしておかなければならないこともあります。

同時に、安定期よりもはるかにはやい妊娠4週目あたりから悪阻(つわり)が始まることも考慮しておく必要があります。

悪阻(つわり)の期間や重さには個人差がありますが、日常生活もままならないくらい体調が悪くなってしまう方もいます。

「報告をするにははやすぎるかな…」と思っても、つらい場合はすぐに相談するようにしましょう。

妊娠判明!仕事はいつまで?

妊娠したら仕事はいつまで?

労働基準法によって産前・産後休業を取得できる期間が決まっているので、こちらを参考にしましょう。

まず、産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)は、請求すれば産前休業として休むことができます。

つまり、期間内であれば、希望するタイミングで産休に入ることができるということです。

いつまで働くか、産後の働き方はどうするかを考えて、よいタイミングを探しましょう。

ちなみに、産後休業は産後8週間取得することとなっており、この期間は基本的に本人の希望にかかわらず就業することはできません。ただし、産後6週間経過後であれば、本人の請求と医師の承認により、職場復帰も可能です。

妊娠・出産時に適用される制度

妊娠・出産時に使える制度

妊娠すると、身体の変化や体調面などによって、思うように働けなくなってしまう方がほとんどです。

妊娠を報告した後の働き方については、妊娠中・出産後の女性の身体的負担を軽減するため、また妊娠・出産を理由に社会的不利な状況にしないために、労働基準法や男女雇用機会均等法などの法律によっていくつかの措置をとることが定められています※1

つまり、妊娠中・出産後の女性従業員に対して、働くうえで必要な措置をとりながら会社全体でフォローする体制になっているということです。

ここでは、「男女雇用機会均等法における母性健康管理の措置※2のなかからいくつか代表的なものをご紹介します。

※1 厚生労働省「働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について」参照

※2 厚生労働省「働く女性の母性健康管理のために」参照

健康診査などを受診する時間の確保

妊娠中は、何度も健康診査を受診しなければなりません。

受診が必要な診査の回数は時期によって異なります。基本的には以下の回数ですが、医師によって異なる指示をされる場合もあります。

  • 妊娠23週まで…4週間に1回
  • 妊娠24週から35週まで…2週間に1回
  • 妊娠36週以後出産まで…1週間に1回

保健指導又は健康診査を受けるための時間の確保(法第12条)」によって、健康診査等の受診が必要な際は、会社に申し出ることで必要な時間を確保することができます。

女性が医師からの指導を守るための環境整備

妊娠中や出産後には、普段通りにいかないことがたくさん出てきます。

そのため、会社は通勤や職場での負担を減らすなど「指導事項を守ることができるようにするための措置(法第13条)」をとることが定められています。

その際に利用するとよいのが「母性健康管理指導事項連絡カード」です。このカードには医師による指導内容が記載されているので、会社の上司などに相談する際、大活躍しますよ。

また、医師から具体的な指導がない場合でも、申し出ることで必要な措置をとってくれますので、つらいことがあれば会社に相談しておきましょう。

以下、受けられる措置として代表的なものをいくつか簡単にご紹介します。

1、妊娠中の通勤緩和

妊娠中の電車やバスなどの公共交通機関の利用や自家用車による通勤は、かなりの苦痛を伴います。

始業・終業時間をずらした時差通勤や勤務時間の短縮など、通勤ラッシュの時間帯を避ける措置を受けることができます。

2、妊娠中の休憩に関する措置

妊娠中には悪阻(つわり)はもちろん、疲れやすくなったりなど体調の変化が大きく、長時間の勤務が難しい場合があります。

医師から休憩時間についての指導があった場合には、休憩時間の延長や回数の増加などの措置を受けることができます。

勤務先によりますが、横になれる休養室を設けている場合もあります。確認しておきましょう。

3、妊娠中または出産後の症状等に対応する措置

健康診査などを受診した際、医師からなんらかの症状について指導を受けた場合、仕事内容の変更の措置を受けることができます。

受けられる措置については、以下のようなものがあります。

  • 重いものを持つ、腹部を圧迫する姿勢を強制されるなど、負担の大きい作業がある場合は、デスクワークなど負荷の少ない作業への転換
  • 勤務時間の短縮
  • 症状が軽くなるまでの休業

妊娠・出産を理由にした不利益な扱いの禁止

妊娠・出産によって、上記のような措置を受けたり、産休育休などの長期休業を取得するとなると、職場での立場が心配になってしまいますよね。

そんな不安を解消してくれるのが、「妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(法第9条)」です。

この法律によって、妊娠・出産、またその前後の措置等を理由に、解雇や契約更新の破棄、降格・減給などを行うことは禁止されています。

業務をカバーしてくれる職場の方たちへの感謝を忘れてはいけませんが、通常通りの仕事ができないことへの負い目を感じる必要はありませんよ。

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妊娠・出産で収入はどうなる?

妊娠したら、仕事はいつまで?

妊娠中もできるだけ長く働きたい方の多くは、休んでいる間の収入の心配をされているのではないでしょうか。

基本的に休業中は無給になりますが、様々な制度によって、妊娠・出産時に受け取れる手当や支払いが免除されるものもあります。

働き続けた場合と手当等を受け取った場合を比較し、「いつまで働くか」について考えてみましょう。

出産育児一時金、家族出産育児一時金

出産の際、健康保険組合に申請することで1児につき42万円の出産育児一時金を受け取ることができます※3

ここで言う「出産」は妊娠85日以後の出産に加え、流産や人工妊娠中絶の場合も含まれます。

受け取る条件は、自身が健康保険に加入している、または加入している配偶者の扶養に入っていることです。

離職等によって被保険者の資格を失った場合も、資格を失ってから6か月以内の出産であり、また被保険者期間が継続して1年以上ある場合は支給の対象となります。

出産育児一時金には、出産場所である医療機関に支払う直接支払制度というものもあります。その場合は、出産にかかる費用に直接あてることができるので、自力でまとまったお金を用意する負担が軽減されますね。

直接支払制度を利用できるかどうかは医療機関によりますので、確認してみましょう。

出産手当金

妊娠・出産によって働けなかった期間については、出産手当金を受け取ることができます※3

こちらも健康保険への加入もしくは加入者の扶養に入っていることが受け取り条件となっています。

産前・産後休業を取得し会社から給料を受け取れなかった期間について支給され、予定日から遅れて出産した場合はその日数分追加で支給されます。

支給される金額は以下の計算方法によって算出します。

出産手当金支給開始日の以前12か月の標準報酬月額を平均した額÷30日×(2/3)×産前・産後休業日数

つまり、通常のお給料の2/3の金額を受け取ることができる計算になります。

該当期間に会社からお給料の支払いがある場合は受け取れませんが、1日あたりの金額が出産手当金の1日あたりの金額よりも少ない場合は、その差額を受け取ることができます。

※3 全国健康保険協会ホームページ「出産に関する給付」参照

産前産後休業保険料免除制度

産前・産後休業期間については、申請をすれば健康保険・厚生年金保険の保険料を免除してもらえます※4

申請は会社を通して行われるため、産前休業に入る前に相談しておきましょう。

有給・無給にかかわらず受けることができる制度ですが、産前・産後休業の間に申し出なければならないので、はやめに報告しておくことが大切です。

また、免除期間中は保険料を納めたこととしてカウントされているため、申請をしたからといって将来の年金は減額されません。

※4 日本年金機構「産前産後休業保険料免除制度」参照

体調を第一に!無理せず働こう

妊娠と仕事の両立は体調を優先して

妊娠してもぎりぎりまで働きたい方もいれば、悪阻(つわり)など体調面で不安があり、辞めるしかないかもと悩んでいる方もいらっしゃると思います。

産前休業については基本的に産前6週間からの取得ですが、働く期間を延ばすことも、つらい時や必要な検診を受ける際には休むこともできます。

もしもの時にサポートしてもらえる「母性健康管理の措置」を頭の片隅に置いておきましょう。

また、金銭的なサポートを受けられる制度については、別途申請が必要なものもありますので、事前に確認しておくとスムーズです。

お仕事も大切ですが、母子の健康が第一です。無理のない範囲で働けるように、上司や同僚など、職場の仲間と助け合えるようにしましょう。

 

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