仕事を辞めた理由としてよく聞かれる「人間関係」。
平成29年の1年間で仕事を辞めた人のうち、女性は13%の人が人間関係を理由に仕事を辞めています※1。
一方で、人間関係という理由は、辞めにくかったり、次の就職に響いてしまうのではと心配になってしまうことも。
人間関係を理由に仕事を辞めようと考える際に注意したいポイントをご紹介します。
仕事を辞めたくなる人間関係
一口に「人間関係」と言っても、状況は様々でしょう。
会社を辞めたくなってしまう人間関係の悩みには次のようなものがあります。
パワハラを受けている
近頃よく話題になっている「パワハラ」。
パワハラ(パワーハラスメント)とは、「同じ職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為」と定義されています※2。
具体的な行為でいうと、次のようなものが当てはまります。
- 行きすぎた説教や暴言
- 断れない状態に追い込んで仕事を押し付ける
- いやがらせ
- 意図的に評価を下げるなどの不当な扱い
- ミスを擦り付ける
ポイントは上のような行為をした人が「上司・先輩など立場の上下がある」人であるということ。
自分よりも立場の上の人からのこういった不当な扱いを受けた場合、社内に相談できる人がいなかったり、なかなか解決しづらかったりして、会社を辞めてしまうことが多いようです。
いじめを受けている
パワハラと似ていますが、こちらは立場の上下の関係ありません。
悪口や暴力・いやがらせのほかに、仕事の押し付けやミスの擦り付けなど、肉体的・精神的に苦痛を与える行為をいじめといいます。
個人の尊厳を傷つけるいじめは、学生同士のものが取り上げられがちですが、残念ながら社会人同士でも存在しています。
環境をガラっと変えなければ解決しない場合もあり、会社の理解が得られない際には辞めざるをえないこともあるようです。
セクハラを受けている
男性・女性に関わらず、性的で不快に感じる言動をされたり、就業環境を害されることをセクハラ(セクシュアルハラスメント)といいます。
また、性的な行為などを強要され拒否した際に、労働条件などで不当な扱いを受けることもセクハラの1つです。
性的な言動とは次のようなものが当てはまります。
性的な内容の発言
- 性的な事実関係をたずねる
- 性的な内容のうわさを広める
- 性的な冗談を言ったりからかったりする
- 食事やデートへ執拗にさそう
- 個人的な性的体験談を話す
性的な行動
- 性的な関係を強要する
- 必要なく体をさわる
- わいせつな絵や写真を配布・掲示する
- 強制わいせつ行為・強姦
セクハラは働く個人の尊厳を傷つける、許されざる行為であり、会社はセクハラを防止し、発生した際には適切な処置を施さなければならないと、雇用機会均等法によって定められています。
一方で、セクハラ行為の被害にあうと、恥ずかしい気持ちもありなかなか相談しにくく、会社を辞めざるをえなくなることも。
職場になじめない
「なんとなくみんなの輪に入れない」「職場になじめない」というのも会社を辞めたくなる人間関係のうちの一つです。
チームで協力して働けなかったり、職場の雰囲気がギスギスしていたり、疎外感を感じてしまったり…
もちろん社会人ですから割り切って働きますが、なかなかそういった職場で長く働くというのは難しいものです。
できれば、和気あいあいとした雰囲気で、お互いを高めあえるような環境で働きたいですね。
仕事を辞める前に
「人間関係に悩むから仕事辞めちゃおう…」ってつい思っちゃいます。
でも、ちょっと待って!
その悩み、もしかしたら辞めなくてもいいかもしれません。
続けていけるかどうかを考える
まずは、悩みと仕事を天秤にかけ、今後も続けていけるかを考えてみましょう。
- 今の仕事が好き
- 仕事のために悩みを割り切れる
- 悩みと感じるが、耐えられないほどではない
このように感じるのであれば、もしも仕事を辞めた場合、あとで後悔することがあるかもしれません。
何が何でも辞めてしまいたいのか、仕事に未練はないか、辞める以外に最良の選択肢はないか、じっくり見極めてから決断しましょう。
社内外の信用できる人に相談
辞めるべきか否か、悩みは解決できるものなのかどうか決めかねるようでしたら、まずは信用できる人に相談してみましょう。
誰かに話すことで、自分の中で考えが整理出来たり、自分を客観視することができたりします。
また、思いもよらない解決方法が見つかるかもしれません。
人事部に相談
特にパワハラ・セクハラ・いじめなど、環境を変えれば解決しそうな悩みの場合、人事部に相談してみるのもよいでしょう。
異動・転勤を願い出るのも一つの手です。
新しい部署・新しい勤務地へと環境を変え、新たに人間関係を築くことができるかもしれません。
また、セクハラの場合、会社によってはセクハラ専用の相談窓口を設置していることもあります。
相談すれば、事実をきちんと確認したうえで、適切な処置が取られるはずなので、悩みの解決につながる可能性も。
窓口がないなどの場合は外部の相談窓口に相談してみましょう。
仕事を辞める時の注意点
仕事を辞めると決めた場合、辞め方にも注意が必要です。
禍根を残すことのないよう「円満退職」を目指しましょう。
早めに退職を告げる
会社の規定によって告知から退職までの期間は様々ですが、法律上は、辞めたいという意思を伝えてから2週間で退職することができます。
しかし、忘れてはならないのが、仕事の引継ぎがあるということ。
職場から1人居なくなると、その1人分の仕事は別の誰かが引き継がなくてはなりません。
自身の日々の業務をこなしながら、新たに引継ぎ分の仕事を教えてもらい、こなせるようになるためにはある程度の時間が必要になります。
場合によっては、会社が代わりの人員の補充しなければ仕事を引き継げない、なんてことも。
遅くとも1ヵ月前には「辞めたい」と意を伝え、余裕を持って退職できるようにしましょう。
辞める理由は前向きなものを
辞めたいと伝える際、どのような理由を言うかは悩むことの多いポイントです。
人間関係が原因の場合、理由をそのまま言ってしまってもよいですが、時には角が立ってしまうことも。
世間は狭いもので、思いもよらぬところでその会社の人とまたご縁があった、なんてこともあるかもしれません。
なるべく角が立たないように伝えるのがよいでしょう。
また、引き止められてしまい辞めるに辞めれない、なんてこともあるかもしれません。
辞めたい理由には、「今の仕事とはほかにやりたいことができたから」「○○にチャレンジしたいから」のように、前向きで、なおかつ辞めたい強い意志があると分かるものを選んでおくのが無難です。
辞めるべきかしっかり見極めよう
辞めたくなってしまうことの多い「人間関係」の悩み。
人間関係は仕事へのやる気やパフォーマンスにとても大きな影響を及ぼすので、うまくいかないときは辞めてしまうのもよいでしょう。
ですが、その時の感情や勢いで辞めてしまうのではなく、一度落ち着いて、辞めるべきかどうかを見極めてから決めるほうが良さそうです。
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派遣社員として事務職で働かれているAさんは、「人間関係」を理由に何度も転職してきたそうです。
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【出典】
※1 厚生労働省 平成29年雇用動向調査結果の概要
※2 厚生労働省 職場のパワーハラスメントについて
※3 厚生労働省 セクシュアルハラスメント対策に取り組む事業主の方へ
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