育休延長の手続き完全ガイド|条件・期限・必要書類をわかりやすく解説

育休はいつまで延長できる?

原則1年の育休期間

育児休業(育休)は、原則として子どもが1歳になるまで取得できます。両親がともに育休を取得する場合は「パパ・ママ育休プラス」制度を利用することで、1歳2ヶ月まで延長することもできます。

しかし、職場復帰を予定していても、保育園に入れなかった・配偶者が病気になったなどのやむを得ない事情がある場合は、育休をさらに延長することが法律上認められています。

1歳6ヶ月まで延長できる条件

子どもが1歳になる時点で、以下のいずれかの事情がある場合は、1歳6ヶ月まで育休を延長することができます。

【1歳6ヶ月まで延長できる主な条件】

  • 保育園に入所を申し込んだが、入所できなかった場合
    待機児童問題により保育園に入れなかった場合が最も多いケースです。入所不承諾通知書(保育園の不承諾通知)が必要書類となります
  • 配偶者が死亡・負傷・疾病・障害などにより、育児が困難になった場合
    配偶者が何らかの事情で育児ができない状態になったことを証明する書類が必要です
  • 離婚などにより配偶者と別居した場合
    離婚届の受理証明書など、別居の事実を証明する書類が必要です
  • 子どもが疾病・負傷・障害などにより、育児休業が特に必要と認められる場合
    医師の診断書など、子どもの状態を証明する書類が必要です
  • 育児休業をしている本人が産前産後休業を取得した場合
    別の子どもの出産に伴い産前産後休業を取得した場合に該当します

2歳まで延長できる条件

1歳6ヶ月を迎えた時点でも保育園に入所できない場合など、引き続きやむを得ない事情がある場合は、最長2歳まで育休をさらに延長することができます。

2歳まで延長できる条件は、1歳6ヶ月まで延長できる条件と基本的に同じです。1歳6ヶ月の時点で再度、延長事由に該当するかどうかを確認し、必要書類を揃えて手続きを行いましょう。

【育休延長期間のまとめ】

延長後の期間 主な条件
原則:子どもが1歳になるまで
1歳2ヶ月まで パパ・ママ育休プラスの利用
1歳6ヶ月まで 保育園不承諾・配偶者の疾病など
2歳まで 1歳6ヶ月時点でも同様の事情が続く場合

パパ・ママ育休プラスで1歳2ヶ月まで延長も可能

両親がともに育休を取得する場合は、「パパ・ママ育休プラス」制度を利用することで、通常1歳までの育休期間を1歳2ヶ月まで延長できます。

ただし、この制度には以下の条件があります。

  • 両親ともに育休を取得すること
  • 配偶者が子どもの1歳の誕生日より前に育休を開始していること
  • 1人当たりの育休取得期間は最長1年間(1歳2ヶ月まで取得できるのは、それぞれの育休開始日が異なるため)

パパ・ママ育休プラスを利用したい場合は、勤務先の担当部署(総務・人事など)に相談して手続きを進めましょう。

 

育休延長の手続き方法

申し出先・申し出期限

育休延長の手続きは、勤務先に申し出ることで行います。申し出の期限は、延長後の育休開始日(=子どもが1歳または1歳6ヶ月になる日)の2週間前までです。

ただし、保育園の入所不承諾通知書が届くのが直前になることも多く、2週間前に間に合わない場合もあります。そのような場合は、できるだけ早めに勤務先の担当部署に連絡・相談することをおすすめします。

【申し出のタイミングの目安】

延長の種類 申し出期限
1歳6ヶ月まで延長 子どもが1歳になる日の2週間前まで
2歳まで延長 子どもが1歳6ヶ月になる日の2週間前まで

申し出が遅れると、育休期間が一時的に途切れてしまうリスクがあります。保育園の結果が出たらすぐに勤務先に連絡するなど、早めの対応を心がけましょう。

手続きに必要な書類

育休延長の手続きに必要な書類は、延長の理由によって異なります。基本的に必要なものは以下の通りです。

【共通して必要な書類】

  • 育児休業申出書(勤務先所定の書式)
  • 母子健康手帳のコピー(子どもの生年月日の確認のため)

【理由別に必要な追加書類】

延長理由 必要な追加書類
保育園に入れなかった 市区町村が発行する入所不承諾通知書
配偶者の死亡 死亡診断書のコピー
配偶者の疾病・負傷 医師の診断書
配偶者との別居 離婚届受理証明書など別居を証明する書類
子どもの疾病・障害 医師の診断書・障害者手帳のコピーなど

書類の種類・書式は勤務先によって異なる場合があります。手続きを始める前に、必ず勤務先の担当部署に確認しましょう。

ケース別・必要書類の例

【最もよくあるケース:保育園に入れなかった場合】

保育園への入所申し込みをしたが入所できなかった場合は、市区町村から「入所保留通知書」または「入所不承諾通知書」が届きます。この書類が、育休延長の最も重要な証明書類となります。

手続きの流れは以下の通りです。

  1. 保育園の申し込みを行う(子どもが1歳になる前に申し込んでおく)
  2. 市区町村から入所不承諾通知書が届く
  3. 通知書のコピーを取っておく
  4. 勤務先に育休延長の申し出を行い、必要書類を提出する
  5. 育休延長が承認される

入所不承諾通知書は大切に保管しておきましょう。ハローワークへの育休手当延長の申請にも必要になります。

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育休延長に伴うその他の手続き

育休を延長する場合、勤務先への申し出だけでなく、育休手当(育児休業給付金)と社会保険料免除についても延長手続きが必要になります。それぞれ手続き先・期限が異なるため、忘れずに対応しましょう。

育休手当(育児休業給付金)の延長手続き

育児休業給付金は、育休中の収入をサポートするために雇用保険から支給される給付金です。育休を延長する場合は、育児休業給付金の支給期間も延長できます。

ただし、自動的に延長されるわけではなく、ハローワークへの申請手続きが必要です。通常は勤務先を通じて手続きを行いますが、流れを把握しておきましょう。

【育児休業給付金延長の手続きの流れ】

  1. 勤務先の担当部署に育休延長の申し出を行う
  2. 勤務先がハローワークに「育児休業給付金支給申請書」を提出する
  3. ハローワークが審査を行い、給付金が延長される

延長の申請には入所不承諾通知書などの証明書類が必要です。勤務先に書類を渡すタイミングが遅れると、給付金の支給が一時的に止まる可能性があるため、早めに対応しましょう。

【育児休業給付金の支給額の目安】

期間 支給額(賃金日額×支給日数)
育休開始から180日目まで 休業開始時賃金の67%相当
181日目以降 休業開始時賃金の50%相当

延長した期間についても、上記の支給割合が継続して適用されます。

社会保険料免除の延長手続き

育休中は、健康保険・厚生年金の保険料が免除される制度があります。育休を延長する場合は、この社会保険料免除の期間も延長されます。

社会保険料免除の延長手続きは、勤務先を通じて日本年金機構(または健康保険組合)に申請します。勤務先の担当部署に育休延長の申し出を行えば、あわせて手続きしてもらえるケースがほとんどです。

【社会保険料免除のポイント】

  • 育休期間中は、本人負担分・会社負担分ともに保険料が免除される
  • 免除期間も年金の加入期間としてカウントされる(将来の年金額に影響しない)
  • 免除の終了は育休終了日の翌日が属する月の前月まで

育休延長でよくある疑問(Q&A)

Q. 育休延長の申し出を勤務先に断られることはありますか?

A. 育児・介護休業法により、法律上の要件を満たしている場合、会社は育休延長の申し出を拒否することはできません。もし断られた場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談することができます。

Q. 保育園の申し込みをしていないと育休延長できませんか?

A. 保育園の入所不承諾を理由とする延長の場合は、申し込みをしていることが前提となります。申し込みをしていない場合は、延長の理由として認められません。育休延長を検討している場合は、早めに保育園の申し込みを行っておきましょう。

Q. 育休延長中に転職活動をしてもいいですか?

A. 育休中の転職活動自体は法律上禁止されていませんが、育休は「育児のために現在の職場に籍を置きながら休業する制度」です。転職先が決まった場合は、現職を退職することになるため、育休手当の受給資格を失う可能性があります。育休中の転職については、必ず勤務先・ハローワークに相談のうえ進めましょう。

Q. 育休を2歳まで延長した後、さらに延長することはできますか?

A. 現行制度では、育休の最長期間は子どもが2歳になるまでです。2歳以降は育休を延長することはできません。2歳を迎えても保育園に入れない場合は、自治体の窓口に相談し、利用できる保育サービスを探しましょう。

Q. パートタイム・有期雇用でも育休を延長できますか?

A. 2022年4月の育児・介護休業法改正により、有期雇用労働者の育休取得要件が緩和されました。現在は、「同じ事業主に1年以上継続して雇用されていること」という要件を満たせば、パートタイム・有期雇用の方でも育休を取得・延長できます。詳細は勤務先または都道府県労働局にご確認ください。

Q. 育休延長中の生活費が心配です。育休手当以外に利用できる支援はありますか?

A. 育休手当(育児休業給付金)に加えて、以下のような支援制度があります。

  • 児童手当:中学校修了前の子どもを養育している場合に支給される
  • 子育て世帯向けの各種給付・支援:自治体によって内容が異なるため、市区町村の窓口に確認する
  • 社会保険料の免除:育休中は健康保険・厚生年金の保険料が免除される

活用できる制度は複数あります。まずは市区町村の子育て支援窓口に相談してみましょう。

まとめ

 

  • 育休は原則子どもが1歳になるまで取得でき、条件を満たせば1歳6ヶ月・2歳まで延長できる
  • 延長の主な条件は保育園への入所不承諾・配偶者の疾病・子どもの疾病など
  • 両親ともに育休を取得する場合は「パパ・ママ育休プラス」で1歳2ヶ月まで延長可能
  • 育休延長の申し出は子どもが1歳(または1歳6ヶ月)になる日の2週間前までに勤務先へ行う
  • 延長に必要な書類は延長理由によって異なり、最も多いケースでは入所不承諾通知書が必要
  • 育休手当(育児休業給付金)の延長はハローワークへの申請(勤務先経由)が必要
  • 社会保険料免除も育休延長期間中は継続して適用される
  • 申し出・手続きが遅れると育休手当が途切れるリスクがあるため、早めの対応が大切

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