結婚や出産を機にライフスタイルが変化した女性にとって、転職に適したタイミングはいつなのでしょう。
子どもの保育園が決まってすぐ?それとも成長して手が離れるまで待つべき?
離職を選択する前に、妊娠中から出産後に使える制度もチェックしておきたいところです。
今回は、子どもの年齢から主婦さんの転職タイミングを考えます。
確認!使える制度と条件
結婚、妊娠、出産。
働く女性にとって、大きなターニングポイントになるこれらの状況。
仕事を続けていくことが不安になる時期でもありますよね。
離職を選択する前に、子育てとの両立を支える制度を確認しておきましょう。
妊娠中~出産後に受けられる措置
妊娠中~出産後は、身体を思うように動かせなくなります。
そんな女性の身体的負担軽減や、社会的不利益な取り扱いの禁止を目的として、労働基準法や男女雇用機会均等法によっていくつかの措置がとられることになっています※1。
たとえば、男女雇用機会均等法で「母性健康管理の措置」として定められている「妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止(法第9条)」。
これは、妊娠や出産を理由として以下のような「不利益な取り扱い」をしてはならない、というものです。
- 解雇すること
- 期間を定めて雇用される者について、契約の更新をしないこと
- 就業環境を害すること
- 減給をし、又は賞与等において不利益な算定を行うこと ほか
妊娠してから出産するまでの間は、何度も病院に通うことになります。
それだけでなく、体調次第で急に出勤できなくなることもあるでしょう。
いつも通りに働くことはできないかもしれませんが、それを理由とした「不利益な取り扱い」を受けることのないように守ってくれるので安心です。
▼その他、妊娠中~出産後の女性が受けられる措置についてはこちらでも解説しています。
このように、法律によって妊娠中~出産後も安心して働けるような体制、また手当の支給体制が設けられています。
まずは、今の職場で働き続ける選択肢もあるということを頭の片隅に置いておきましょう。
※1 厚生労働省「働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定について」参照
産前・産後休業
一般的に「産休」として知られる産前・産後休業は、労働基準法によって定められています※2。
産休を取得できる期間は、産前6週間(多胎妊娠の場合は14週間)~産後8週間です。
産休期間について、産前は女性が請求するまでは就業可能、産後は請求の有無にかかわらず就業禁止※3という違いがあります。
※2 厚生労働省「働く女性の母性健康管理のために」参照
※3 産後6週間を経過して女性側から希望があった場合は、医師の判断によって就業が可能です。
育児休業
一般的に「育休」として知られる育児休業は、育児・介護休業法によって定められています。
育休は、原則子どもが1歳になるまで、最長2歳になるまでの期間で取得することが可能です※4。
雇用期間に定めのある契約社員などの場合は、以下の条件をどちらもクリアすることで取得できます。
- 同一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること
- 子が1歳6か月に達する日までに※5、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了することが明らかでないこと
※4 厚生労働省「育児休業制度」参照
※5 2歳まで育児休業を延長する場合は、「子が2歳に達する日までに」となります。
転職直後は育休取得できない!?
育休に関しては、ひとつ注意点があります。
それは、労使協定によって一定の条件下で育休取得が制限される可能性があるということです。
たとえば、労使協定で「1年以上の継続雇用のない者には育児休業取得を認めない」という決まりがある場合は、入社して1年未満では育休を取得することができません。
労使協定の内容は会社によって様々なので、事前に確認するようにしましょう。
育休明けすぐの転職は要検討
育休中に転職活動をして育休明けすぐに転職することは、可能ではあります。
しかし、育休は今働いている職場に戻ることを前提としたものです。
育休をとっている間、あなたの仕事を引き継ぎ、居場所を守ってくれている人たちがいることを忘れてはいけません。
今の職場にとっても転職先の企業にとってもあまり心証のよいことではありませんので、よほどの事情がない限りは育休明けすぐの転職はやめておきましょう。
子の看護休暇
子どもが小学校に上がるまで取得できるものとして、子の看護休暇があります※6。
有給休暇とは別に、子どものけがや病気の看護のために利用できるもので、限度は1年度において5日(小学校に上がるまでの子どもが2人以上いる場合は10日)です。
子の看護休暇は、1日単位または時間単位で取得することができます。
※6 厚生労働省「子の看護休暇制度」参照
取得条件に注意!
子の看護休暇に関しても、労使協定によって対象が限定されることがあります。
たとえば、以下のような場合です。
- その事業主に継続して雇用された期間が6か月に満たない
- 1週間の所定労働日数が2日以下
また、仕事内容によっては時間単位での取得が認められていないこともあるため、あわせて確認しておきましょう。
年次有給休暇
ここで、おなじみの有給休暇についても解説しておきます。
有給休暇は、半年間継続して全労働日の8割以上出勤することで取得できるものです※7。
半年勤務で10日、1年半勤務で11日、と継続勤務年数によって付与日数が変動していきます。
有給休暇取得は原則1日単位ですが、労使協定によっては時間単位での取得も可能です。
繰り返しになりますが、有給休暇が利用できるのは入社後半年が経過してからなので、入社早々休む可能性のある場合は注意が必要です。
※7 厚生労働省「年次有給休暇取得促進特設サイト」
短時間勤務
「所定労働時間の短縮措置(短時間勤務制度)」により、子どもが3歳になるまでは、短時間勤務を選択することもできます※8。
その他、1日の所定労働時間が6時間以下でないことなどが選択の条件です。
取得条件に注意!
短時間勤務の措置についても、労使協定によって制限がかけられる場合があります。
- その事業主に継続して雇用された期間が1年に満たない
- 1週間の所定労働日数が2日以下
- 業務の性質又は業務の実施体制に照らして、短時間勤務制度を講ずるのが困難と認められる業務に従事する
ただし、「短時間勤務制度を講ずるのが困難」という理由で制度を利用できない方については、フレックスタイム制度や時差出勤制度などの代替措置を受けることができます。
子どもが小学生になるまで受けられる措置
育児・介護休業法では、「小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置」として、子どもが小学生になるまでは、育児に関する休暇制度など必要な措置をとる努力をするよう求めています※8。
たとえば、3歳から小学生になるまでの間の措置として以下のようなものがあります。
- 育児休業に関する制度
- 所定外労働の制限に関する制度
- 短時間勤務制度
- 始業時刻変更等の措置
すべての会社でこれらの措置を受けられるわけではないので、事前に確認しておくとよいでしょう。
※8 厚生労働省「事業主が講ずべき措置(所定労働時間の短縮等)」参照
子どもの年齢別!主婦の転職
子どもの年齢によって、子育ての状況も利用できる制度も大きく変わります。
- 妊娠~出産までの転職
- 子どもが0歳~3歳までの転職
- 4歳~小学校入学までの転職
- 子どもが小学校入学後の転職
今回は、大きく4つの時期に分けて、転職のタイミングを考えてみましょう。
1.妊娠~出産までの転職
妊娠がわかっても、しばらくの間は働き続けることができます。
「今のうちに転職活動をして、出産後の働き口をキープしておこう」と考える方も少なくないでしょう。
しかし、よほどの事情がない限りは、この時期の転職はおすすめしません。
100%無理というわけではありませんが、すぐに長期的な休暇に入ることがわかっているので、なかなか採用してもらえないでしょう。
さらに、妊娠中は体調を崩しがちで、はやい段階から悪阻(つわり)で苦しむことも。
面接日や入社日当日にドタキャンという事態もないとは言い切れませんよね。
また、妊娠中に転職活動をする場合は、採用された後のことも考えておかなくてはなりません。
産休は取得できますが、育休は入社後1年が経過しないと取得できない会社もあります。
さらに、有給休暇が取得できるのは入社後半年経過後、子の看護休暇も同様の条件を課していることも。
有給休暇などがない場合は欠勤になるため、その分だけお給料も減ってしまいます。
妊娠から出産、子育てを支える様々な制度は、入社直後には利用できないものが多いのです。
2.子どもが0~3歳までの転職
近年は、子どもを保育園に預けてすぐに職場復帰する女性が少なくありません。
育休期間は最長2歳までなので、育休明けでの転職を考えている方はそろそろタイミングの検討を始める頃でしょうか。
ここで注意したいのは、子どもが0~3歳頃までの間は、子どもの体調不良などを理由に頻繁に仕事を休まなければならない可能性があるということです。
先程も解説したように、子の看護休暇や有給休暇は入社直後には利用できないことがあります。
子どもが0~3歳のタイミングでの転職を成功させるには、もしもの時に頼れる親族やベビーシッターなどの利用体制が整っていることが前提条件になるでしょう。
3.子どもが4~5歳までの転職
4~5歳になると体調を崩すことも減り、少しずつ安定してきます。
まだまだ油断できない時期ではありますが、0~3歳の頃に比べると動きやすくはなるでしょう。
この頃に注意したいのが、子どもの小学校入学以降の働き方も考えているかということです。
子どもを取り巻く環境も働き方も、小学校入学とともに大きく変化します。
まず、子どもはこれまで慣れ親しんだ保育園・幼稚園を離れ、新しいコミュニティに入れられるストレスから、体調面・精神面に不調が出てしまうことがあります。
さらに、会社の子育て支援制度についても、子どもの小学校入学を境に使えなくなってしまうものが大半です。
転職活動自体は比較的スムーズに進めることができますが、小学校入学以降の働き方についても頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。
4.子どもが小学校入学後の転職
子どもが小学校に入ると、ある程度は親の手を離れる部分も増えてきます。
転職活動もその後の勤務も、かなり安定して進めることができる時期と言えるでしょう。
しかし、先程もご紹介したように小学校入学直前・直後には注意が必要です。
たとえば、小学校には保育園時代にはなかった夏休みがあります。
長期休暇の間は学童に預ける、家で留守番をさせておくなど、その時になって慌てないように決めておかなければなりません。
このように、保育園・幼稚園の頃とまったく同じ働き方を想定していると壁にぶつかってしまうことがあります。
ある程度小学校入学後の時間の使い方に慣れてから転職活動を開始した方がスムーズかもしれません。
主婦の転職はタイミングが大切
転職はタイミングが大切です。
子育て中の主婦さんにとっては、なおさら注意が必要!ということがお分かりいただけたでしょうか。
今回ご紹介した4つのタイミングの特徴は以下の通りです。
- 妊娠~出産まで…できれば避けるべき
- 子どもが0~3歳…子どもが体調を崩しがちなので周囲の助けがないと難しい
- 子どもが4~5歳…比較的転職しやすいが、小学校入学以降のことも考えておく必要あり
- 子どもが小学校入学~…比較的転職しやすいが、使えなくなる制度が出てくるため注意が必要
このように、使える制度や子育て状況を考慮しながら、無理のない転職計画を立てていきましょう。
今、転職すべき?
「しごと計画学校」で、一緒に最適なタイミングを探しましょう♪
しごと計画学校とは?
1人ぼっちで転職活動はさせません!
職場見学や面接にもついて行きます😆
伴走型の転職エージェント
▶履歴書の書き方
▶面接対策
▶見学や面接の日程調整
▶職場見学も一緒に行きます
▶面接もついて行きます
転職・就職セミナーのご案内
主婦の転職についてもっと知りたい方はこちらもチェック!
- 転職するならいつ?正しい転職タイミング
- 育休明けの職場復帰!気をつけたい4つのポイント
- 保育園と幼稚園、どっちがいいの?働き方で保育施設を選ぼう!
- 「主婦・長期ブランクあり」からの再就職!エージェント利用のススメ
- 「転職して後悔!」をなくすには?事前準備と対処法
※4、6、8 厚生労働省「育児・介護休業法のあらまし」内リンクより
※1~2、4、6~8 すべて2021年2月5日参照
しごと計画学校を
利用された方の声
今までしごと計画学校をご利用された方の「利用者の声」転職にまつわるいろんな体験談
しごと計画学校 岡山校 Instagram
▶転職するか悩んでいる
▶載っている求人に応募したい
▶セミナーに参加してみたい
など、DMメッセージも大歓迎です!
LINEで相談もOK
- 非公開求人のご案内
- LINEで転職相談
- 各種予約