「仕事を辞めたいけど、いつから準備を始めればいいの?」
「有給休暇、ちゃんと消化してから辞めたい」
「ボーナスをもらってから辞めた方がいいって聞くけど、本当?」
仕事を辞めたいと思うきっかけは、人それぞれです。人間関係・仕事内容への悩み・キャリアアップ・「明日にでも辞めたい!」という切実な理由がある方もいるでしょう。
しかし、衝動的に辞めてしまうのはちょっと待ってください。今一度冷静になって、本当に辞めてもよいのかじっくり考えてみましょう。それに、退職するにも相応の手続きが必要です。余裕を持って準備しておかないと、希望日に退職できないかもしれません。
この記事では、希望通りの退職を実現するために、退職日から逆算した退職スケジュールの立て方を、有給消化・ボーナスのタイミングなど押さえておきたいポイントとあわせて、2025年最新の状況を踏まえて詳しく解説します。
退職には最短でも2〜3ヶ月かかる
「辞めたい」と思ってから実際に退職するまでには、最短でも2〜3ヶ月程度の準備期間が必要と考えておきましょう。
転職活動・退職の相談・引き継ぎなど、それぞれのステップに一定の時間がかかるため、「思い立ったらすぐ辞められる」というわけにはいきません。準備にかかる時間を逆算して、退職時期を決めることが重要です。
退職日から逆算する5つのステップ
退職までの流れは、大きく以下の5つのステップに分けられます。
①転職活動をはじめる → ②退職を相談・交渉する → ③退職願(退職届)を提出する → ④引き継ぎをする → ⑤退職する
それぞれのステップを詳しく見ていきましょう。
①転職活動をはじめる
退職を意識したら、まずは転職活動をはじめてみましょう。転職サイトに登録したり、転職エージェントに相談したりと、まずは行動を開始することが大切です。
転職活動は、在職中にする場合と退職した後にする場合の2パターンがあります。自分が動きやすい方法でよいですが、特にこだわりがないのであれば、在職中に転職活動をすることをおすすめします。
いつ頃に退職する、という時期を決めているのであれば、遅くとも3ヶ月前には動き出しましょう。
在職中に転職活動をする3つのメリット
◆自分の市場価値を知ることができる
転職活動をはじめると、今まで関わってこなかった企業で働く人と出会うことができます。さまざまな企業の採用担当者と話すことで、現在の職場で培った能力・活かしきれなかった自分の強みを、別の視点から評価される機会が増えていきます。
別の環境にいる人物からの評価によって、ひとつの企業に勤めているだけではわからない、社会にとっての自分の価値を知ることができます。
◆現状を客観的に分析できる
お給料をはじめとした現在の待遇に不満がある場合は、他の企業がうらやましくなってしまうものです。ひとつ注意したいのは、転職をすれば必ず待遇が改善されるわけではないということです。
企業によっては、年齢・経験・資格の有無によって待遇に違いが生じることがあります。条件によっては、転職することでさらに待遇が悪くなってしまうことも少なくありません。
そういった意味では、在職中に転職活動をしておくことで、衝動的に退職して後悔することを防ぐこともできます。さまざまな企業の条件を見て、本当に退職してよいのかしっかりと考えましょう。
◆面倒な手続きをしなくて済む
退職すると、社員として加入していた健康保険と厚生年金保険が途切れ、使えなくなってしまいます。新たに加入し直すまでは無保険状態となり、さまざまな不都合が生じます。
健康保険が途切れることのリスク【2025年最新の手続き】
健康保険は、退職した翌日から使えなくなってしまいます。転職先ですぐに加入できる場合は気にしなくてよいですが、日本には「国民は何かしらの健康保険に加入しなければならない」という国民皆保険の義務があります。そのため、退職から次の職に就くまでに期間があく場合は、すぐに再加入の手続きをしなければなりません。
【退職後の健康保険の選択肢】
| 選択肢 | 手続き期限 | 特徴 |
|---|---|---|
| 会社の健康保険を任意継続する | 退職日の翌日から20日以内 | 継続できる期間は最長2年。保険料は会社負担分も含めて全額自己負担になる |
| 国民健康保険に加入する | 退職日の翌日から14日以内が目安 | お住まいの市区町村役場で手続き。前年の所得等をもとに保険料が決まる |
| 家族の扶養に入る | 事実発生から5日以内が目安(保険者による) | 収入等の条件を満たせば、家族の健康保険の扶養に入ることができる |
社員として加入していた健康保険を継続する(任意継続)場合は、退職日の翌日から20日以内に手続きをする必要があります。延長期間は2年で、費用は今まで会社が負担してくれていた分も自分で支払う必要があるため、必然的に保険料は上がってしまいます。
手続きの手間・負担金額の面でも、極力次のお仕事が決まった状態で退職した方がよいでしょう。手続き期限を過ぎてしまうと選択肢が狭まったり、無保険期間が生じてしまったりするリスクがあるため、退職が決まったら早めに次の保険についても検討しておくことが大切です。
②退職を相談・交渉する
相談は誰に・いつ伝える?
退職の届け出は、法律上は2週間前までに行えばよいことになっています(民法第627条)。しかし、手続きや引き継ぎのことを考えると、退職日の1〜2ヶ月前には意思表示を行っておくべきでしょう。
退職の相談は、必ず直属の上司に直接行いましょう。同僚・他部署の上司などにほのめかしていると、話が回りまわって交渉がこじれてしまうことがあります。退職が正式に決まるまでは、極力周囲には話さないようにすることが賢明です。
相談の席では、退職の意思と希望の退職日を伝えます。上司と話し合って退職日を正式に決定し、退職までの手続き・引き継ぎについての指示を仰ぎましょう。
引き止められたときの対処法
退職の意思を伝えると、引き留め交渉をかけられる場合があります。環境や待遇の改善を持ち出されることが多いですが、それを受け入れて退職を取りやめても、あまりよいことにはなりません。一度退職を申し出た手前、会社にいづらくなることは容易に想像できるでしょう。
退職すると決めたなら、強い気持ちで臨むようにしましょう。ただし、感情的に対立するのではなく、丁寧かつ毅然とした態度で「退職の意思は変わらない」ということを伝えることが、円満な話し合いにつながります。
③退職願(退職届)を提出する
退職が決まったら、退職願(退職届)を準備しましょう。これは退職の1ヶ月前〜2週間前に提出するのが一般的です。
一般的に、「退職願」は自己都合、「退職届」は会社都合での退職の場合に使われます。形式や書き方などは、まず就業規則を確認しましょう。規定がない場合は、縦書きの便箋に手書きで書くのが一般的とされています。
④引き継ぎをする
退職が決まったら、自分が担当している業務を他の社員に引き継ぐことになります。引き継ぎに必要な期間は、携わっている仕事の量・重要度によって異なりますが、退職日の3日前には終えられるようなスケジュールを立てておくと、余裕を持って業務を遂行できます。
一般的には、退職が社内に周知されてから本格的に動き出すことになりますが、準備できることはあらかじめしておいた方がよいでしょう。複雑な仕事を引き継ぐ場合はマニュアルを作成したり、誰にどの仕事を引き継ぐのかをまとめたりしておくとスムーズです。
引き継ぎ業務は想像以上にばたばたしてしまうものです。その時になって焦らないよう、しっかり準備をしておきましょう。
⑤退職する
いよいよ退職です。会社に返還するものや手続きすべきものを忘れていないか、きちんと確認しましょう。
【退職時に確認しておきたい主なもの】
- 健康保険証(会社発行のもの)
- 社員証・社章
- 名刺(自分のもの・取引先からもらったもの)
- 業務で使用していたパソコン・スマートフォン・鍵など貸与物
- 制服・作業着(返却が必要な場合)
退職日には、今までお世話になった上司・同僚に感謝を伝え、円満退職になるように努めることが大切です。
「退職・転職のスケジュールについて相談したい」という方へ
しごと計画学校では、退職・転職活動全般のスケジュール立てから書類作成・面接対策まで完全無料でマンツーマンサポートしています。「いつ頃退職を切り出せばいいか一緒に考えてほしい」というご相談もお気軽にどうぞ。
退職を相談する前にチェックしておきたい2つのこと
退職には最短でも2〜3ヶ月の準備が必要なことがわかりました。準備にかかる時間を逆算して退職時期を決める際に、気をつけたいポイントを2つご紹介します。
有給休暇は何日残ってる?
まず確認したいのが有給休暇です。
入社して6ヶ月以上が経過している場合、有給休暇が付与されているはずです。退職を決めたら、有給休暇が何日残っているかをまず確認しましょう。
引き継ぎが始まってしまうと、有給休暇を消化するのは難しくなります。また、有給休暇取得は労働者の権利とはいえ、退職間際になって長期的に休むのは職場に迷惑をかけかねませんし、会社によっては(業務の都合上)希望通りに取得できないこともあります。
最大限に有給休暇を利用できるよう、早い段階から少しずつ計画的に消化しておきましょう。「退職日直前にまとめて全部消化しよう」と考えると、引き継ぎとの兼ね合いで思うように休めないことがあるため注意が必要です。
ボーナス・決算賞与の取得時期は?
ボーナス・決算賞与は、支給日に会社に在籍していることが支給の条件になっていることがほとんどです。せっかくこれまで頑張ってきたのですから、その対価はしっかりいただきたいものです。
ボーナスに関する規定は就業規則に記載してあるので、まずはそちらを確認しましょう。査定期間と支給の条件を確認し、支給時に在籍できるように調整することをおすすめします。
しかし、転職先が決まっている場合、ボーナスを理由にむやみに入社時期をずらすのはやめましょう。また、ボーナス支給後すぐに退職の相談をするのも印象がよくありません。最後の最後に社内での居心地が悪くならないよう、タイミングには十分注意しましょう。
退職スケジュールのモデルケース
これまでの内容を踏まえて、標準的な退職スケジュールのモデルケースを確認しておきましょう。
【退職スケジュールのモデルケース(在職中に転職活動をする場合)】
| 時期 | 主な活動内容 |
|---|---|
| 退職の3〜4ヶ月前 | 転職活動を開始。有給休暇の残日数・ボーナスの支給条件を確認 |
| 退職の1〜2ヶ月前 | 直属の上司に退職の意思・希望退職日を相談 |
| 退職の1ヶ月前〜2週間前 | 退職願(退職届)を提出 |
| 退職日の3日前まで | 業務の引き継ぎを完了させる |
| 退職日 | 会社への返却物・手続きを確認し、お世話になった方々へ挨拶 |
希望通りに退職するには、時間を逆算してきちんとスケジュールを立てることが大切です。「明日退職します!」は基本的に通用しないと考え、余裕を持った計画を立てましょう。
特に、在職中に転職活動をして内定をもらった場合には、決められた入社日を守らなくてはなりません。入社日は無理な日程にせず、内定から2〜3ヶ月後としておくと安心です。転職先に事情を説明し、必要であれば交渉しましょう。
よくある質問(Q&A)
Q. 退職の意思を伝えてから、法律上は最短でどのくらいで辞められますか?
A. 民法第627条により、退職の意思表示から2週間で退職することが認められています。ただし、これはあくまで法律上の最短期間です。実際には引き継ぎ・有給消化などを考慮し、退職日の1〜2ヶ月前には意思表示をしておくことが円満退職につながります。就業規則で「退職〇ヶ月前までに申し出ること」と定められている場合は、その規定も確認しましょう。
Q. 退職を伝える前に、周囲に相談してもいいですか?
A. 退職が正式に決まる前に、直属の上司以外(同僚・他部署の上司など)に話が広まってしまうと、話が回りまわって交渉がこじれる原因になることがあります。相談したい場合は、職場外の家族・友人・転職エージェントなど、社内に情報が漏れない相手を選ぶことをおすすめします。
Q. 有給休暇をすべて消化してから辞めることはできますか?
A. 権利としては可能ですが、引き継ぎとのバランスを考える必要があります。退職日直前にまとめて有給を取得しようとすると、引き継ぎが不十分になり、職場に迷惑をかけてしまう可能性があります。退職を決めた早い段階から、少しずつ計画的に有給を消化していくことをおすすめします。
Q. ボーナス支給後にすぐ退職を切り出すのは印象が悪いですか?
A. 「ボーナスだけもらって辞める」という印象を与えると、職場での心証を損ねる可能性があります。ボーナスの支給条件を満たすタイミングと、退職の相談を切り出すタイミングには、ある程度の間隔を空けることをおすすめします。ただし、これは慣習的なマナーの範囲であり、法律上の制約ではありません。
まとめ
- 退職には最短でも2〜3ヶ月程度の準備期間が必要。退職日から逆算してスケジュールを立てることが重要
- 退職の流れは①転職活動②退職の相談・交渉③退職願の提出④引き継ぎ⑤退職の5ステップ
- 在職中の転職活動には①市場価値を知れる②現状を客観視できる③健康保険の手続きの手間を省けるという3つのメリットがある
- 退職後の健康保険は任意継続(20日以内)・国民健康保険(14日以内目安)・家族の扶養のいずれかを選ぶ必要がある
- 退職の相談は直属の上司に、退職日の1〜2ヶ月前に伝えるのが基本。周囲への事前の言いふらしは避ける
- 退職願(退職届)は退職の1ヶ月前〜2週間前に提出。「退職願」は自己都合、「退職届」は会社都合の場合に使う
- 引き継ぎは退職日の3日前までに完了させるスケジュールを組んでおくと安心
- 退職前に有給休暇の残日数・ボーナスの支給条件を必ず確認し、計画的に調整する
- 「明日辞めます」は通用しない。時間を逆算した計画的なスケジュール立てが、円満退職への近道
「退職・転職のスケジュールについて相談したい」という方へ
しごと計画学校では、退職・転職活動全般のスケジュール立てから書類作成・面接対策・職場見学の同行まで完全無料でマンツーマンサポートしています。「いつ頃退職を切り出せばいいか一緒に考えてほしい」「有給消化やボーナスのタイミングも含めて相談したい」「円満退職のためのアドバイスがほしい」というお悩みも、プロのアドバイザーが一緒に解決します。
「相談したら必ず転職しなければいけない」ということは一切ありません。まずは話を聞いてみるだけでも大歓迎です。
相談は完全無料・予約不要です。お気軽にご連絡ください。
無料個別相談に申し込む(職場見学同行サポートあり・予約不要・相談無料)
