
「もし親に介護が必要になったら、費用はどのくらいかかるのだろう」「介護費用は誰が出すのか、子どもが負担しないといけないのか」「在宅介護と施設介護、費用面ではどちらがよいのか」——30代も後半になると、親の介護という問題が少しずつ現実味を帯びてきます。とはいえ、何から調べればいいのかわからない、お金のことを親に聞くのは気が引ける、という方も多いはずです。
生命保険文化センターの調査(2024年度)によると、住宅改造や介護用ベッドの購入といった一時的な費用は平均で約47万円、月々の費用は平均で約9万円とされています。決して小さな金額ではありません。それでも、日本には公的介護保険制度という強力なセーフティネットがあります。制度を正しく理解し、早めに心構えをしておけば、いざというときに慌てずに対応できます。
この記事では、親の介護費用の最新データ、公的介護保険制度の仕組み、在宅介護と施設介護の費用比較、費用を軽減できる制度、今からできる備えまで、わかりやすく解説します。
親の介護費用は誰が出すのか
基本は介護を受ける親本人のお金で
まず押さえておきたいのは、介護費用は原則として介護を受ける本人(親)のお金で賄うという考え方です。親が長年積み立ててきた預貯金、年金収入、保険の給付金などを活用するのが基本になります。ただし「親のお金だから」と無計画に使い続けるのは危険です。介護がいつまで続くかはわかりません。親の資産全体を把握し、計画的に使うことが大切です。
子どもが負担する場合の考え方
親子には扶養義務がありますが、これは「子どもの生活を犠牲にしない程度の援助」と解釈されています。つまり、子どもが親の介護費用を全額負担する義務はないものの、親の資金が不足した場合には一定の援助が求められることがあります。子どもが経済的支援を検討する際は、親の年金額・貯蓄・保険の有無、兄弟姉妹がいる場合の費用分担、自分自身の家計への影響、公的支援制度で費用を抑えられないか、といった点を事前に整理しておきましょう。「親の介護のために自分の生活が破綻する」状況は誰も望みません。親の資産状況を把握し、必要に応じて家族で話し合っておくことが最も大切な準備です。
【2025年最新】介護費用の平均はどのくらい?
一時費用の平均
介護を始める際にかかる一時的な費用(住宅改造・介護用ベッドの購入など)の平均は、約47万円です。内訳には、手すりの設置や段差解消などの住宅リフォーム、介護用ベッドの購入、介護保険のレンタル対象外の福祉用具、民間有料老人ホームの入居一時金などが含まれます。要介護度が上がるほど一時費用も高くなる傾向があるため、早めに要介護認定を申請し、介護保険のレンタルサービスを活用することで費用を抑えられます。
月々の費用の平均
月々の費用(介護保険サービスの自己負担を含む)の平均は約9万円です。ただしこの平均には在宅介護と施設介護の両方が含まれており、介護を行う場所によって金額に大きな差があります。分布を見ると、在宅介護では月1万〜2万5千円未満、施設介護では月15万円以上に山ができる形になっており、費用は二極化しているのが実情です。
介護期間の平均
介護を行った期間の平均は約55か月(4年7か月)です。介護経験者の一定数は10年以上の長期介護を経験しており、長期化するほど経済的な負担が増えやすいため、早い段階での備えが重要になります。
総額でいくらかかる?
平均値をもとに試算すると、一時費用の約47万円に、月々の費用9万円×55か月を加えて、総額でおよそ540万円前後という計算になります。あくまで平均に基づく試算であり、要介護度・介護を行う場所・利用するサービスによって実際の費用は大きく変わります。しかし、「親の介護費用として500万円以上かかる可能性がある」という現実をあらかじめ知っておくことが、早めの備えにつながります。
公的介護保険制度を正しく理解しよう

介護保険とは?
介護費用の負担を大きく軽減してくれるのが公的介護保険制度です。日本では40歳になると加入が義務付けられ、保険料は健康保険料と一緒に徴収されます(65歳以上は年金から天引き)。介護サービスは1〜3割の自己負担で利用でき、自己負担割合は本人や同一世帯の高齢者の所得に応じて決まります。65歳以上の第1号被保険者は原因を問わず要介護・要支援認定を受けた場合に、40〜64歳の第2号被保険者は加齢に伴う特定疾病が原因の場合に利用できます。サービスを利用するには、まず親が住む市区町村に要介護認定を申請する必要があります。
利用できる主な介護サービス
在宅系では、車いすや介護用ベッドを1〜3割負担でレンタルできる福祉用具貸与、ホームヘルパーが入浴・食事・生活援助を行う訪問介護、施設に通って入浴・食事・機能訓練を受けられるデイサービス、短期間宿泊してケアを受けるショートステイなどがあります。デイサービスやショートステイは、介護をする家族の休息(レスパイト)にもなります。施設系では、原則要介護3以上を対象とし費用が比較的安い特別養護老人ホーム(特養)が代表的ですが、人気が高く地域によっては入所まで年単位で待つこともあります。
介護保険でカバーできないものに注意
公的介護保険は強力ですが、すべての費用をカバーできるわけではありません。施設入居時の食費・居住費、日用品や洗濯代などの日常生活費、支給限度額を超えたサービス費用、民間有料老人ホームの入居一時金や管理費などは、原則として自己負担になります。「介護保険があるから大丈夫」と油断せず、保険でカバーされない部分も含めて計画を立てておきましょう。
「介護と仕事の両立について相談したい」という方へ
しごと計画学校では、介護中・介護が始まりそうな方の就職・転職活動を完全無料でマンツーマンサポートしています。「親の介護と仕事の両立をどうすればいいか」というご相談もお気軽にどうぞ。
在宅介護 vs 施設介護|費用から考える選択

在宅介護の費用・メリット・注意点
親の介護費用の平均月額は、自宅で介護する場合が約5.3万円、施設を利用する場合が約13.8万円とされています。在宅介護は月々の費用を大幅に抑えられ、住み慣れた環境で過ごせるため親の精神的な安心感が高く、家族との時間を多く持てるのがメリットです。
一方で、最も気をつけたいのが介護する側(家族)の負担です。特定の家族に介護が集中すると、介護疲れ・健康被害・仕事への影響など深刻な問題が生じます。親の介護を理由に仕事を辞める「介護離職」は家計への打撃が大きく、介護者自身のキャリアにも影響します。在宅介護を続けるコツは、早めに介護サービスを活用することです。訪問介護・デイサービス・ショートステイを組み合わせ、家族だけで抱え込まないようにしましょう。
施設介護の費用・種類・選び方
施設介護は月々の費用が平均約13.8万円と在宅より高くなりますが、専門スタッフによる手厚いケアを受けられる大きなメリットがあります。主な施設の月額目安は、特別養護老人ホームが6〜13万円程度、在宅復帰を目指すリハビリ型の介護老人保健施設が8〜15万円程度、サービスが充実した介護付き有料老人ホームが15〜40万円以上、認知症の方向けのグループホームが10〜20万円程度、見守り・生活相談つきのサービス付き高齢者向け住宅が10〜20万円程度です。施設を選ぶ際は、費用だけでなく、要介護度の条件、家族が面会しやすい立地、スタッフの対応や施設の雰囲気、医療体制、待機状況などを確認しましょう。可能であれば実際に足を運んで雰囲気を確かめることが大切です。
どちらを選ぶべき?
在宅か施設かは費用だけでなく総合的に判断します。要支援〜要介護2程度で、家族が近くに住み、本人も自宅を望み、医療処置が少ないなら在宅介護が向いています。要介護3以上で、家族が遠方または働いており、施設でのケアを望み、日常的に医療処置が必要な場合は施設介護が向いています。「最初から施設に預けるのは申し訳ない」と感じる方も多いですが、親の安全と介護する家族の心身の健康を守るには、施設介護が最善の選択になる場合も少なくありません。罪悪感を持たず、状況に応じた最適な選択をすることが大切です。
介護費用の負担を軽減できる制度
高額介護サービス費
1か月の介護保険サービスの自己負担額が一定の上限を超えた場合、超過分が払い戻される制度です。上限額は所得に応じて設定されており、一般的な課税世帯では月44,400円、住民税非課税世帯では月24,600円、特に所得の低い方は月15,000円などが目安です(上限額は改定される場合があるため、市区町村の窓口やケアマネージャーに最新情報を確認しましょう)。
介護保険負担限度額認定
低所得者世帯を対象に、介護保険施設への入所やショートステイ利用時の食費・居住費を軽減する制度です。通常これらは介護保険の対象外で全額自己負担ですが、この制度を使うことで大幅に負担を抑えられます。所得・資産の要件があるため、まず市区町村の窓口に相談しましょう。
高額介護合算療養費制度
同じ世帯で1年間の医療費と介護費の自己負担合計が上限を超えた場合に、超過分が払い戻される制度です。医療と介護の両方を利用している高齢者の負担軽減に役立ちます。これらの制度は申請しないと自動的に給付されないものがほとんどなので、ケアマネージャーや地域包括支援センターに相談し、活用できる制度を把握しておきましょう。
今からできる介護への備え
備え1:親の資産・収入状況を把握しておく
介護が始まってから慌てないために、今のうちに親の年金収入・預貯金・保険の有無を把握しておくことが最も重要です。確認しておきたいのは、年金の受給額、預貯金や有価証券の概算、生命保険・医療保険・介護保険の加入状況、通帳や印鑑・重要書類の保管場所、かかりつけ医や服薬中の薬の情報などです。お金の話は切り出しにくいものですが、介護が始まってからでは情報収集が難しくなります。親が元気なうちに、さりげなく話し合う機会を作りましょう。
備え2:地域包括支援センターを知っておく
地域包括支援センターは、高齢者の介護・健康・生活全般の相談を無料で受け付ける公的な窓口です。市区町村ごとに設置され、要介護認定の申請サポート、ケアマネージャーの紹介、利用できる介護サービスの案内、費用軽減制度の相談などに対応してくれます。「まだ介護は先」と思っていても、場所と連絡先を事前に把握しておくだけで、いざというときに素早く動けます。
備え3:親の介護と仕事の両立を考えておく
介護が始まると仕事との両立が大きな課題になります。家計への影響が深刻な介護離職はできる限り避けましょう。両立を支える制度として、対象家族1人につき通算93日まで3回に分割して取得できる介護休業制度、1年度に最大5日(対象家族2人以上は10日)取得できる介護休暇、勤務時間の短縮やフレックスタイムなどの短時間勤務等の措置があります。職場の制度を事前に確認しておくことで、いざというときに慌てずに済みます。今の仕事と介護の両立が難しい場合は、転職支援のプロに相談するのも選択肢のひとつです。
備え4:家族で話し合う機会を作る
介護は一人で抱え込まず、家族全員で話し合い、共有することが大切です。誰が介護を担うのか、自宅で続けるか施設を利用するか、親の年金・貯蓄・保険をどう活用するかなどを具体的に話し合い、共通認識を持っておくと安心です。特に兄弟姉妹がいる場合は、費用分担や役割分担を事前に話し合っておくことで、いざというときのトラブルを防げます。
よくある質問(Q&A)
Q. 親の介護費用が足りなくなった場合、子どもは必ず負担しなければなりませんか?
A. 法律上、親子間には扶養義務がありますが、「子どもの生活を犠牲にしない程度の援助」とされています。まずは高額介護サービス費や介護保険負担限度額認定などの公的支援制度をフル活用し、不足分について家族で話し合いながら対応するのがおすすめです。
Q. 要介護認定はどこに申請すればいいですか?
A. 親が住んでいる市区町村の介護保険担当窓口、または地域包括支援センターに申請します。申請後、訪問調査と主治医の意見書をもとに認定が行われます。認定まで1か月程度かかる場合があるため、介護が必要になりそうなときは早めの申請をおすすめします。
Q. 特別養護老人ホームに早めに入れるコツはありますか?
A. 特養は要介護度が高いほど優先されやすいため、まずは要介護認定を受けることが第一歩です。複数の施設に同時申し込みができるので、希望する特養だけでなく複数に申し込んでおくとよいでしょう。入所までの間は、ショートステイや他の施設を活用しながら待つ方法もあります。
Q. 民間の介護保険に加入した方がいいですか?
A. 公的介護保険でカバーできない費用(施設の食費・居住費・入居一時金など)に備えるうえで、民間の介護保険の検討は有効です。ただし、保険料と給付内容のバランスをよく確認したうえで判断しましょう。
Q. 認知症になった場合の介護費用はどう変わりますか?
A. 認知症の程度に応じて要介護度が決まり、それに合った介護サービスを受けられます。進行した場合は、認知症対応型のグループホームの利用も選択肢になります。診断されたら、早めに地域包括支援センターや認知症専門医に相談することをおすすめします。
まとめ

介護費用は基本的に介護を受ける親本人のお金で賄うのが原則です。最新データでは、一時費用が平均約47万円、月々の費用が平均約9万円、介護期間が平均約55か月で、総額はおよそ540万円前後という計算になります。在宅介護の平均月額は約5.3万円、施設介護は約13.8万円と、介護の場所によって費用に大きな差があります。
公的介護保険制度を活用すれば1〜3割の自己負担でさまざまなサービスを受けられますが、施設の食費・居住費や支給限度額の超過分は自己負担になる点に注意が必要です。高額介護サービス費、介護保険負担限度額認定、高額介護合算療養費制度などの軽減制度も積極的に活用しましょう。今からできる備えは、親の資産状況の把握、地域包括支援センターの把握、介護と仕事の両立の準備、家族での話し合いの4つです。家計への影響が大きい介護離職は避けることを最優先に、介護休業制度などを活用しながら仕事との両立を図りましょう。
「介護と仕事の両立・転職について相談したい」という方へ
しごと計画学校では、介護中・介護が始まりそうな方の就職・転職活動を完全無料でマンツーマンサポートしています。「親の介護と仕事の両立が不安」「介護のために転職を考えている」というお悩みも、プロのアドバイザーが一緒に考えます。「相談したら必ず転職しなければいけない」ということは一切ありません。まずは話を聞くだけでも大歓迎です。相談は完全無料・予約不要です。
しごと計画学校を
利用された方の声
今までしごと計画学校を利用された方の声を集めました!
転職にまつわるいろんな体験談です!
しごと計画学校の無料個別相談
「この条件でも正社員で働けますか?」
そんな不安をお持ちの方はぜひ個別相談へお越しください。
面談の流れはコチラ♪
ご予約お待ちしております。
⭐オンライン面談も受け付けています
セミナー紹介
しごと計画学校では様々な
内容のセミナーを開催しております!
下記リンクから詳細を
ご覧いただけますので、
是非チェックしてみてくださいね♪
しごと計画学校とは?
1人ぼっちで転職活動はさせません!
職場見学や面接にもついて行きます😆
伴走型の転職エージェント


