30代も後半になってくると、気になるのが介護の問題。
もしも自分の親に介護が必要になったら、費用はどのくらいかかるの?
今回は、費用を軸にこれからの介護について考えてみましょう。
親の介護費用、どこから出す?
そもそもの問題として、親の介護費用はどこから出すことになるのでしょうか。
基本的には、介護費用は介護を受ける人が負担するという認識でいるとよいとされています。
介護対象が親なら、親のお金から出すといった形です。
親のお金をやりくりしながら介護を進めていくことになりますが、自分のお金ではないからといって、むやみに使うのはやめましょう。
負担軽減!公的介護保険制度
それでは、介護費用を考えるうえで大切な公的介護保険制度について確認しておきましょう。
日本では、40歳になると介護保険に加入することになります。
保険料は加入している健康保険料と一緒に支払われることになりますが、基本的に別途の手続きは必要ありません。
多くの方はお給料から天引きされる形となり、65歳以上になると年金から天引きされるようになります。
公的介護保険制度は、要介護認定もしくは要支援認定を受けた際、1~3割の費用負担で介護サービスを受けることができるものです。
介護サービスを受けるための条件や費用負担の割合は、年齢によって異なります。
◆65歳以上(第1号被保険者)
- サービス利用条件…原因にかかわらず要介護/要支援認定を受けた場合
- 費用負担…所得により1~3割
◆40~64歳(第2号被保険者)
- サービス利用条件…加齢に伴う疾病(特定疾病)が原因で要介護/要支援認定を受けた場合
- 費用負担…1割
このように、公的介護保険制度によって、介護そのものや費用面でのサポートを受けられるのです。
ただし、介護度によって定められた上限を超える場合や、施設利用時の食費や居住費などサービス対象外のものは全額負担になることもあります。
公的介護保険制度によってすべての費用をカバーできるわけではないという点には注意が必要です。
使える介護サービス
公的介護保険制度によって利用できる介護サービスについて、代表的なものをいくつかご紹介します。
福祉用具貸与
車いすやベッドなど、介護に必要な福祉用具を借りることができます。
訪問介護
ホームヘルパー(訪問介護員)が家を訪問する形で、入浴・食事等のサポートを受けられます。
調理や洗濯といった家事もサービスに含まれているなど、自宅での暮らしを支えるという位置づけです。
デイサービス(通所介護)
こちらは、施設に通う形で受けられるサービスです。
入浴・食事等の支援はもちろん、心身の機能を維持するための運動・脳トレなどの機能訓練も受けられます。
基本的には日帰りで、宿泊することはできません。
ショートステイ(短期入所生活介護)
こちらは、短期間施設に宿泊する形で入浴・食事等の支援や機能訓練を受けられるサービスです。
介護をする側の体調不良や仕事上の都合で家を空けることになった際の受け皿にもなってくれます。
特別養護老人ホーム
原則要介護3以上の方を対象とした施設です。
施設に入居する形で、介護サービスを受けることができます。
老人ホームのなかでは費用が比較的安く、非常に人気が高いのが特徴です。
地域によっては入所までに年単位の待ち時間があるため、よく確認しておきましょう。
介護費用、いくらかかる?
介護にかかる費用は人それぞれで、「このくらいあれば安心!」という基準はありません。
とはいえ、ある程度は心構えをしておきたいですよね。
今回は、公益財団法人生命保険文化センター『平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」』から、介護を経験した(している)方の実際の介護費用を参考にしてみましょう。
一時費用
介護のための住宅リフォームや介護用ベッドの購入など、介護に伴う一時費用は、平均69万円でした。
「要支援1」で平均17万円、「要介護3」で平均93万円と、要介護度による金額の違いも見られます。
月々の費用
月々の費用(公的介護保険サービスの自己負担費用も含)は、平均7.8万円でした。
月々の費用に関しても、要介護度が上がると高くなる傾向があります。
さらに、「在宅」での介護の場合は平均4.6万円、「施設」での介護の場合は平均11.8万円と、こちらは介護を行った場所によっても金額に大きな差が出ているようです。
介護期間
介護期間(介護中の場合は経過期間)は、平均54.5か月(4年7か月)でした。
介護中の方のデータも含まれていますが、もっとも多かったのは「4~10年未満」の28.3%となっています。
この場合の介護費用
上記の介護期間に月々の費用をかけ合わせ、一時費用を合計すると、平均494.1万円となりました。
在宅?施設?費用から考える介護の形
この調査によって、介護費用は平均で約500万円ということがわかりました。
これだけでも、かなり高額です。
そのうえ、介護はいつまで続くかわかりません。
親の介護は原則親のお金で行うといっても、いくらでも蓄えがあるわけではないですよね。
そのため、理想の介護を実現しつつ、お金の問題もクリアできる方法を考えていくことになります。
ここからは、費用に大きく差が出た在宅介護と施設での介護について、それぞれのメリットや課題を見てみましょう。
在宅介護
在宅介護は、住み慣れた家で介護を行う方法です。
なによりも、介護を受ける方がこれまでと変わらず安心して過ごすことができるのがメリットで、在宅介護を望む声も少なくありません。
月々の費用についても、在宅介護は平均4.6万円。
施設での介護の平均11.8万円に比べてもかなり安く抑えられることがわかります。
しかし、費用面だけで在宅介護を選んでしまうのは危険です。
家族での介護が必要
在宅介護は、家族で介護を行う必要があります。
近くに住む親族などとの間で交代制にできる場合はまだよいですが、自分ひとりで対応することになったら大変です。
介護にあてられる人数や時間をよく考えてからスタートしないと、介護をする側が先につぶれてしまいます。
介護サービス利用も検討
介護度が上がるにつれて、家族だけで介護を行うのは難しくなっていきます。
疲れ果ててしまう前に、訪問介護やデイサービスなどの介護サービスの利用を検討しましょう。
つらい時や急な仕事で家を空けなければならない時に利用することで、介護する側の心身の負担軽減にもなるでしょう。
施設での介護
一方、老人ホームなどの施設に預ける介護方法は、費用が高い印象がありますよね。
それに、なんだか親を見捨てるようで気が進まないという方も多いでしょう。
しかし、介護施設ではきちんとした設備と介護のプロによる万全の対応を受けることができます。
在宅介護を続けたいと思っていても、いつなにが起こるかわかりません。
万が一に備えて、リサーチをしておくのがおすすめです。
施設利用は比較が大切
介護施設は自治体などが管理する公的なものから民間企業が管理するものまで様々です。
当然、かかる費用も大きく違います。
例えば、入居金ひとつをとっても、公的施設である特別養護老人ホームでは不要ですが、民間施設である有料老人ホームでは必要です。
このように、いくつかの施設を比較して最適な場所を選ぶようにしましょう。
また、親の介護をお任せすることになるのですから、施設の雰囲気や受けられるサービスをよく確認しておくことも大切ですね。
ネットの情報だけでなく、施設に足を運んで実際の様子を見られればなおよいでしょう。
スムーズに入れないことも
地域によっても違いはありますが、すぐ施設に入所できないこともあります。
別の施設に決めるか、順番が来るまでショートステイや他の老人ホームを利用するなどして待つか…。
希望の施設に入れなかった時の対応も考えておきましょう。
これからの介護を考えよう
今回は、お金の側面から介護を見てみました。
介護費用の分かれ道、在宅介護と施設での介護の違いもイメージできたでしょうか。
親の介護は親のお金で行うもの。
だからこそ、計画的に使わなければなりません。
なにに、どのくらいのお金を使って、どのような介護を行うのか。
なかなか切り出しにくい話題ではありますが、親に直接介護への備えについて確認しておくと、いざという時に慌てずにすむかもしれませんね。
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【出典】すべて2021年2月16日参照
- 厚生労働省 「介護保険制度の概要」
- 厚生労働省 「介護保険制度について(40歳になられた方(第2被保険者)向け:令和2年11月版)」
- 公益財団法人生命保険文化センター 平成30年度「生命保険に関する全国実態調査」
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