熱のある子どもを預ける病児保育とは

子どもが急に発熱!病児保育とは?利用方法・料金・持ち物・訪問型サービスまで徹底解説

「子どもが急に熱を出したけど、今日どうしても仕事を休めない…」「病児保育って聞いたことあるけど、どうやって使えばいいの?」「事前に登録が必要って聞いたけど、登録の仕方がわからない」——子どもを持つ働く親が直面する最も多いピンチのひとつが、子どもの急な発熱です。朝の支度の直前に体温計を見て37.5度の数字が出たとき、保育園から「お迎えに来てください」と電話がかかってきたとき、有給休暇はもう残りわずか…という状況で途方に暮れた経験がある方は多いのではないでしょうか。

そんなときの心強い味方が「病児保育」です。病気の子どもを保護者の代わりに一時的に預かってくれるこのサービスを事前に知っておくことが、いざというときのパニックを防ぐカギになります。

2025年現在、病児保育施設の数は全国的に増加傾向にあり、スマートフォンから予約できるサービスや訪問型の病児保育サービスなど、利用しやすい環境が整いつつあります。また、育児・介護休業法の改正で整備された「子の看護休暇」の取得も一般化しており、働く親が使える選択肢は以前と比べて広がっています。

この記事では、病児保育の仕組みから利用方法・料金・必要な持ち物・利用できないときの代替手段まで、2025年最新情報をもとにわかりやすく解説します。「いざというとき」が来る前に読んでおくことで、慌てずに対応できるようになります。

なぜ熱のある子どもは保育園に預けられないの?

多くの保育園・幼稚園では、「体温が37.5度以上の場合は登園できない」というルールが設けられています。「たかが微熱なのに」と感じる方も多いですが、このルールには重要な理由があります。

①集団生活の場であるため、感染拡大リスクが高い

大人と違い、子どもたちは同じおもちゃを口に入れたり一緒に手をつないで遊んだりするため、ウイルスや菌の感染が広がりやすいです。微熱程度の子どもが1人登園することで、クラス全体、さらには他のクラスにまで感染が広がるリスクがあります。

②37.5度は「微熱」だが、感染症の初期症状である可能性がある

インフルエンザ・RSウイルス・ノロウイルスなどの感染症は、発症初期に37.5度前後の熱が出ることがあります。「ちょっとした風邪かな」と思っていたら、実は感染力の高い感染症だったというケースは珍しくありません。

③体調の悪い子どもは急変リスクがある

朝に37.5度だった子どもが、昼には39度台に急上昇するということも子どもではよく起こります。保育士が一人ひとりの急変に対応することは現実的に難しく、子ども自身の安全のためにもこうしたルールが設けられています。

「うちの子は元々体温が高くて、37.5度でも普段通り元気なんですが」というケースもあります。その場合は園に相談してみましょう。園によっては基準が異なる場合や、かかりつけ医の診断書があれば預けられるケースもあります。

病児保育とは?3つの運営形態

病児保育とは、仕事などの理由で体調の悪い子どもを自宅で看病できない保護者に代わって、一時的に子どもを預かるサービスです。国・自治体の事業として位置づけられており、自治体ごとに施設の整備や利用料金の設定が行われています。

運営形態 特徴 メリット
医療施設併設型 病院・医療法人が保育室を設けて運営 医師・看護師が常駐し、急変時に即対応可能
保育所併設型 認可保育園・保育所が病児室を設けて運営 普段の保育環境に近く、子どもが慣れやすい
単独型 NPO法人・企業などが単独で運営 独自のサービスや特色があることが多い

いずれの施設にも、基本的に病児の看護を担当する看護師と、病児の保育を担当する保育士が常駐しており、専門家のもとで子どもを預けることができます。「病気の子どもを医療知識のない施設に預けることが不安」という方も多いですが、病児保育の施設では医療的な観察・ケアと保育を同時に行える体制が整えられています。

地域によって施設の数・種類・利用条件が大きく異なります。まずはお住まいの自治体のホームページや子育て支援センターで、近くの病児保育施設を調べておくことをおすすめします。

病児保育の利用対象・受け入れ条件

利用対象年齢

病児保育の利用対象は、おおむね生後6ヶ月〜小学校6年生までの子どもが一般的です。ただし施設によって異なります。生後6ヶ月未満の乳児は受け入れていない施設が多く、小学校高学年(4〜6年生)は受け入れていない施設もあります。お子さんの年齢が対象範囲に含まれるか、かかりつけの病院や保育施設に病児保育があるかを、ピンチになる前に事前に確認しておきましょう。

受け入れ可能な症状の目安

病児保育で受け入れ可能な主な症状には、発熱、風邪の症状(鼻水・咳・喉の痛みなど)、消化器症状(下痢・嘔吐など)、感染症(インフルエンザ・水痘・麻疹・風疹など)、軽度〜中度の喘息発作、その他の急性期の症状などがあります。

ただし、症状が非常に重く入院が必要と判断される状態や、医師から安静が必要と指示されている高熱が続く状態、施設での対応が難しい重篤な感染症の場合は、受け入れが難しいことがあります。「我が子の症状で預けられるかどうか」は、利用前に必ず施設に電話で確認しましょう。症状を正確に伝えることで、受け入れ可否や必要な書類・持ち物などをスムーズに確認できます。

病児保育の利用方法・手続きの流れ

事前登録が必要!

病児保育を利用するためには、事前の利用者登録が必要です。子どもが熱を出してから初めて調べ始めるのでは間に合わないことがあります。お子さんが元気なうちに登録を済ませておくことが最重要ポイントです。

登録に必要な主なものは、保護者の身分証明書、子どもの保険証、乳幼児医療費受給資格証(お住まいの地域によって名称が異なります)、母子健康手帳・予防接種手帳などです。登録は年度更新制(4月1日〜3月31日)の自治体が多く、毎年度の登録更新が必要です。特に年度が変わる3月末〜4月初めのタイミングで確認しておきましょう。近年はオンラインで事前登録・予約ができる自治体・施設が増えているため、お住まいの自治体のホームページで確認してみましょう。

当日の利用の流れ

  1. 朝、子どもの体調不良を確認する
  2. 病児保育施設に電話・オンラインで予約、空き状況を確認する
  3. かかりつけ医(または近くの小児科)を受診する(施設によっては当日受診が利用条件になっているところも)
  4. 医師に「病児保育を利用する」旨を伝え、連絡票(診療情報提供書)を書いてもらう
  5. 持ち物を準備して病児保育施設へ向かう
  6. 施設に到着し、受け付け・引き継ぎ(子どもの状態を詳しく伝える)を行う
  7. 仕事へ向かう
  8. 迎えの時間に子どもを引き取り、その日の様子を確認する

特に重要なのが「かかりつけ医の受診」と「連絡票(診療情報提供書)の記入」です。多くの病児保育施設では、利用当日に医師の診察を受けた証明・指示書が必要です。「かかりつけ医が開いていない」「受診できる時間がない」という場合は、事前に施設に相談しておきましょう。

必要な持ち物チェックリスト

利用する施設・子どもの年齢・症状によって異なりますが、一般的な持ち物を以下に整理しました。前日の夜にある程度準備しておくと、当日の慌ただしさが軽減されます。

医療・健康管理関連

  • 保険証
  • 乳幼児医療費受給資格証
  • 母子健康手帳
  • 予防接種手帳
  • お薬手帳
  • 処方された薬(服用方法・量のメモを添付)
  • 冷却シート・冷えピタ

子どもの生活用品

  • 着替え・肌着(嘔吐・下痢がある場合は多めに、最低3〜4セット)
  • ポリ袋(汚物入れ・汚れた衣類入れ)
  • タオル(フェイス・ハンド・バスタオル各1〜2枚)
  • ハンカチ・ティッシュ

乳幼児の場合の追加持ち物

  • 哺乳瓶・ミルク(必要量)
  • おむつ(多めに、日数分より多く持参)
  • おしり拭き
  • 使用済みおむつ入れ袋

あると便利なもの

  • 子どもが好きなぬいぐるみ・お気に入りのもの(不安軽減のため)
  • 子どもの食事の好み・アレルギーのメモ

病児保育の料金・利用時間・定員

料金の目安(地域別)

病児保育の利用料金は、自治体・施設によって異なります。

地域・施設 1日あたりの料金の目安
認可施設(自治体運営) 2,000〜3,000円程度
民間のベビーシッターサービス 3,000〜10,000円程度(時間・サービスによる)

生活保護世帯・市民税非課税世帯の場合、利用料金が減額される自治体があります。減額申請は利用前に申請書の提出が必要で、利用後の申請では適用されないケースがありますので注意が必要です。該当する方は事前に自治体・施設に確認しておきましょう。2024年・2025年には一部の自治体で病児保育の無料化・大幅な補助拡充が進んでいます。最新の料金・補助制度はお住まいの自治体のホームページまたは子育て支援センターで確認することをおすすめします。

利用可能時間と定員

利用可能時間は多くの施設で月曜日〜金曜日の8:30〜17:30頃です。施設によっては土曜日対応・延長時間対応があるところもあります。

病児保育施設の定員は1施設あたり4〜5名程度のところが一般的です。定員が少ないため、急な利用では空きがないことも多くあります。特に冬場(11月〜2月頃)は感染症の流行によって病児保育の需要が急増し、定員いっぱいになることが多いです。前日のうちに翌日の空き状況を確認しておくことをおすすめします。

「子どもの体調不良で急に仕事を休むことが多い…働き方を相談したい」という方へ。しごと計画学校では、子育て中の方の就職・転職活動全般を完全無料でマンツーマンサポートしています。「子どもの体調不良に対応しやすい職場に転職したい」「テレワーク・時短勤務OKの職場を探したい」というご相談もお気軽にどうぞ。

無料個別相談に申し込む

病児保育が利用できないときの代替手段

「予約が取れなかった」「定員がいっぱいだった」「施設が遠くて連れていけない」という場合の代替手段を知っておきましょう。

病後児保育

病気の回復期にある子どもを預かってくれるのが「病後児保育」です。「熱は下がったけど、まだ完全に元気じゃない」「保育園に戻すのはまだ少し心配」という状態のときに活用できます。病児保育と同じく自治体が整備している場合が多く、利用方法・料金も病児保育と同様です。「病気の状態では預けられないが、回復期なら預けられる」という日に活用しましょう。ただし病後児保育も施設数が少ない傾向があるため、事前にお住まいの地域に施設があるかを確認しておきましょう。

ベビーシッター・訪問型サービス

自宅に看護師・保育士・ベビーシッターが来てくれる訪問型サービスは、施設型の病児保育が使えないときの代替として有効です。体調の悪い子どもを外に連れ出さなくてよく、子どもにとって慣れた自宅環境で過ごせるうえ、施設の定員に関係なく利用できるというメリットがあります。一方で、施設型より費用が高い傾向がある(1〜3時間あたり2,000〜6,000円程度・サービスによって異なる)ことや、信頼できる事業者・スタッフを事前に選んでおく必要がある点には注意が必要です。

2025年現在、政府の子育て支援策の拡充の一環として、ベビーシッターの利用補助金や企業向けのベビーシッター利用補助制度が整備されています。勤務先の会社に「ベビーシッター割引券・補助制度」がないかを確認してみましょう。

サービスの種類 特徴
保育士・看護師が訪問するサービス 専門家が自宅に来てくれる。安心感が高い
ファミリーサポートセンター 自治体が運営する相互援助活動。比較的安価
マッチング型ベビーシッターアプリ 事前登録で素早く手配できる

特に「ファミリーサポートセンター」は自治体が運営する制度で、地域の援助会員が子育て中の家庭をサポートする相互援助活動です。事前登録が必要ですが、費用が比較的安価(1時間700〜800円程度)なため、緊急時の連絡先として事前に登録しておくと安心です。

子の看護休暇制度

忘れがちですが、育児・介護休業法によって「子の看護休暇」が定められています。

項目 内容
取得できる日数 子ども1人の場合は年5日まで、2人以上の場合は年10日まで
対象となる子どもの年齢 小学校就学前の子ども
対象となる事由 子どもの病気・けが・予防接種・健康診断
有給・無給 会社の規定による(法律上は無給でも可だが、有給とする会社も多い)
半日・時間単位 2021年1月から半日・時間単位での取得が可能に

「有給休暇を使い果たしてしまった」という場合でも、子の看護休暇は別枠で取得できます。まだ利用したことがない方は、会社の就業規則・人事担当者に確認しておきましょう。

病児保育を使いやすくするための事前準備チェックリスト

「いざというときに慌てない」ために、事前にやっておくべきことをチェックリストにまとめました。

近くの施設・サービスの確認

  • 自宅・職場近くの病児保育施設を2〜3か所リサーチした
  • 病児保育施設への事前登録を済ませた
  • かかりつけ小児科が病児保育施設の連絡票を書いてくれるか確認した
  • ファミリーサポートセンターへの事前登録を済ませた
  • 緊急時に使えるベビーシッターサービスを1つ決めておいた

職場との確認

  • 子の看護休暇制度が自分の会社にあるか確認した
  • 上司に子どもの急な体調不良時の対応についてあらかじめ相談した
  • テレワーク・在宅勤務への切り替えが可能かどうか確認した

家庭内での準備

  • パートナーと「子どもが急に熱を出したらどちらが対応するか」のルールを決めた
  • 病児保育の持ち物(基本セット)をまとめておいた
  • かかりつけ医・病児保育施設の電話番号をスマートフォンに登録した
  • 子どものアレルギー・服薬情報をメモにまとめておいた

これらをあらかじめ準備しておくだけで、急な発熱の朝の慌ただしさを大幅に軽減できます。

よくある質問(Q&A)

Q. 病児保育は予約なしで当日利用できますか?

A. 多くの施設では当日利用も可能ですが、定員がいっぱいで断られることがあります。特に冬場(感染症流行期)は朝早い時間に定員に達してしまうことも多いです。施設によっては前日から予約できる、オンラインで空き状況を確認できるところもあります。可能な限り前日のうちに予約・空き確認をしておくことをおすすめします。

Q. 病児保育を利用する際、毎回医師の診察が必要ですか?

A. 施設によって異なりますが、多くの施設で利用当日または前日の医師の診察と、連絡票(診療情報提供書)の記入が条件になっています。かかりつけ医が休診の場合や受診できない状況の場合は、事前に施設に相談することをおすすめします。

Q. インフルエンザなどの感染力が強い病気でも病児保育は使えますか?

A. 施設によって対応が異なりますが、インフルエンザ・水痘(水ぼうそう)・ノロウイルスなどの感染症でも受け入れている病児保育施設は多くあります。ただし、他の利用児への感染拡大防止のため、個室対応・条件付きとなる場合があります。「この症状で預けられますか」と事前に電話で確認してから利用しましょう。

Q. 病児保育の利用料金に補助はありますか?

A. 自治体によって補助制度があります。生活保護世帯・市民税非課税世帯に対する減額制度のほか、2025年現在では一部の自治体で無料化・補助拡充が進んでいます。お住まいの自治体のホームページか子育て支援センターで最新情報を確認してみましょう。また、企業のベビーシッター補助制度や政府の補助制度も活用できる場合があります。

Q. 子どもをかわいそうに思って病児保育に預けることに罪悪感があります。

A. 病気のときに親元を離れる子どもへの心配は、多くの親が感じることです。ただ、病児保育の施設には看護師・保育士の専門家が常駐しており、子どもの体調を医療的にも保育的にも適切にケアしてくれます。「病気のときは親しかダメ」という思い込みを手放し、専門家に任せて仕事に集中するという選択も立派な判断です。利用後に「意外と子どもは大丈夫だった」という声は多くの親から聞かれます。

まとめ

  • 保育園が「37.5度以上の発熱で登園禁止」としているのは、感染拡大リスク・子どもの急変リスクへの対応として適切な措置
  • 病児保育は医療施設併設型・保育所併設型・単独型の3種類があり、看護師と保育士が常駐している
  • 利用対象はおおむね生後6ヶ月〜小学校6年生まで(施設によって異なる)
  • 事前登録が必須。子どもが元気なうちに近くの施設を調べて登録しておくことが最重要ポイント
  • 利用当日はかかりつけ医の診察から連絡票の記入、施設への引き継ぎという流れが一般的
  • 利用料金は1日あたり2,000〜3,000円程度(自治体・施設によって異なる。補助制度あり)
  • 定員は4〜5名程度と少ないため、冬場は特に早めの予約確認が必要
  • 病児保育が使えない場合の代替手段として病後児保育・ベビーシッター・ファミリーサポートセンター・子の看護休暇がある
  • 子の看護休暇は2021年から半日・時間単位での取得が可能に。有給休暇とは別枠で年5〜10日取得できる
  • 「いざというとき」の前に事前準備を済ませておくことが、急な発熱の朝の慌ただしさを大幅に軽減する

「子どもの体調不良への対応がしやすい職場に転職したい」という方へ。しごと計画学校では、子育て中の方の就職・転職活動全般を完全無料でマンツーマンサポートしています。「テレワーク対応・時短勤務OKの職場を探したい」「子どもの急な発熱に対応しやすい働き方に変えたい」「今の職場では子どもが熱を出すたびに肩身が狭い思いをしている」というご相談も、プロのアドバイザーが一緒に解決します。

「相談したら必ず転職しなければいけない」ということは一切ありません。まずは話を聞いてみるだけでも大歓迎です。相談は完全無料・予約不要です。お気軽にご連絡ください。

無料個別相談に申し込む(職場見学同行サポートあり・予約不要・相談無料)