「長く働ける」を転職の目的にしていませんか？

2019年6月14日 2022年1月20日

正社員を目指した転職相談

生活環境やご年齢はもちろん様々ですが、共通しているのは「長く働ける所を探したい」と考えていること。これは驚くほど共通しています。

ずっと派遣で働き続けてきたが、これから子供ができる事を想定して産休・育休がきちんと取れる会社を探している30歳の女性
平成25年に作られた「無期転換ルール※」により、10年以上働いた会社が契約満了で更新無しとなり、定年まで働ける会社を探す50歳の女性
10年以上続けた保険のセールスを辞め、新しい分野のセールスに挑戦したい40代半ばの女性…など

みなさん、長期的なことを考えて、それぞれ正社員での就職活動を頑張っていらっしゃいます。

すぐ欲しいか？待ってでもたくさん欲しいか？ーマシュマロ実験

話は変わって、、

私は最近知ったんですが、みなさん「マシュマロ実験」ってご存知ですか？

ネットで検索してもらえればすぐ出てくるかと思いますが、これは、子ども時代の自制心と将来の社会的成果の関連性を調査した実験のことです。（懐疑的な意見はあるようですが、ここでは省いて…）

どんな実験かというと、マシュマロ1個と机と椅子がある部屋で「15分間マシュマロを食べるのを我慢したら、マシュマロをもう1つあげる」と伝えて、子どもたちがどういう行動を取るかを観察するというもの。

結果的には、全体の1/3しか我慢できないという結果で、その1/3の子どもたちは後の人生で比較的優秀な成績を収めている、というのが主な概要です。

大人になったらさすがにマシュマロくらいは我慢できるでしょうけど笑

それより「マシュマロ（＝欲しいもの）が本当に1個でいいのか？」「待ってでも2個欲しいのか？」を大人なら判断しなくちゃいけないですよね。

忍耐力はもちろん大事ですが、大人になれば将来得たいもののために、今どう行動するかを長期的な視点で考える必要があるということです。

「長く働ける」を目的にしてはダメ！

長期的に考えて判断ができるかどうか？　ーこれは非常に大事な問題です。

そもそも冒頭でもお話したとおり、ほとんどの方が「長く働ける職場」を探していますが、なぜ「長く働ける職場」がいいのでしょうか？

反対に「3年くらいでこの会社で○○のスキルを身につけて次のステップに進みたい」という方はほとんどいらっしゃいません。

そう考えると「長く働ける職場を探す」のは、結論としては正解かもしれませんが、仕事探しの「目標」にしてはいけないのかもしれません。

私もご相談者に、「長く働ける職場を探しましょう！」ってついつい言ってしまっています。

特に女性は、キャリア重視ではなくその時々のライフイベント優先で考えてしまう傾向にあります。

時には、結婚・出産・子育て・旦那さんの転勤・両親の介護など、仕事より優先すべき事はたくさん発生します。

そのためには「長く働ける企業を見つける」ことを目的とするのではなく（なぜなら環境は変化するから）、「今自分がしたい働き方でどう企業を使っていくか」という考え方を少しでもしなければと私自身考えさせられています。

※無期転換ルール・・・有期労働契約が更新されて通算５年を超えたときは、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約（無期労働契約）に転換できるルール。通算５年のカウントは2013年4月1日以降に開始した有期労働契約が対象となる。詳しくは「はじまります、｢無期転換ルール｣ – 厚生労働省」（PDF）参照。